Sonicmania'05 The Other Acts
会場に着いたのは11時半頃。入場口はメッセ9番ホールの2階で、まずはチケットを渡して紙製のリストバンドを手首に巻いてもらう。同じく2階ではグッズ売り場やレコード会社などのブースが設置されていた。グッズを物色したりクロークに上着を預けたりしている間に、1組目のオープニングアクトであるスターボードのライヴは終了していた。
椿屋四重奏
名前からすると大人数の楽団みたいだが、実際はギター、ベース、ドラムという最小限のトリオ編成バンド。ビートにメリハリがあって、メロディも親しみやすく、そしてMCはやたら謙虚で低姿勢。次代を担うべき日本のロックバンドという雰囲気があって、今回はフェスのオープニングアクトだが、いずれはより頭角を現してくる人たちではないだろうか。
The Departure
UKの新鋭と聞いたが、新人らしい若々しさはあまりなく、むしろ新人らしからぬしたたかさを感じさせる。音は淡々としていて従来のUKバンドのような甘ったるさがなく、フランツ・フェルディナンドがポスト・ロックをやったような感じ。こういう音は、個人的に嫌いではない。ラストに「See you summer」と言っていたので、サマソニにも参戦するのだろうか?
Goldie Lookin' Chain
NME.comではやたらと名前を見かける連中だが、実はキャリア20年以上の大ベテランだそう。しかし最近になって、突然本国でブレイクしたみたいだ。白人のラッパー8人組で、ステージ上をダッチロールのように歩き回りながら、ラップを刻んでいた。終盤に高潮したヴォルテージには貫禄を感じたが、個人的には休憩タイムにさせていただいた。
Sparta
アット・ザ・ドライヴ・インのリズムセクションだった3人が中心になって結成されたバンド。売りはやはりリズムを中心にしたバンドのコンビネーションにあるような気がした。終盤、ヴォーカルがステージを降りてフロア中央の花道に突入し、場内を熱狂させる。最後はPAのところにまで走って行き、スタッフのひとりのスキンヘッドにキスしていた(笑)。
Kottonmouse Kings
リンキン・パークのようなラップメタルのバンドなのかと思っていたら、コチラもラップユニットだった。5人くらいのラッパー、DJ、ドラムという編成で、場内の盛り上げ方はうまかった。途中「Make some noise」「さわげ」と書かれた紙を掲げたり(「ワサゲ」と言っていたけど/笑)、ひとりはズボンをずり降ろしすぎでパンツ見せていたりと、やりたい放題。
Boom Boom Sattelites
観るのはフジロックの前夜祭やプライマル・スクリームの前座に続いて3度目なのだが、バンドとしての精度が格段に向上し、凄みさえ感じさせるように変貌していた。プログラミングによる電子音と生楽器によるビートがいい塩梅でマッチしていて、ロックサウンドでありかつダンサブルでもあるという、非常にバランスのとれたたたずまいだった。ベースの中野雅之はアグレッシヴにステージ上を動き回り、川島道行のヴォーカルも何か鬼気迫るものを感じさせた。まもなく、新譜がリリースされるそうだ。
Zavier ~Juno Reactor
ザビエルは約40~50分のぼわぼわしたDJを展開し、ほとんど間を置かずにジュノ・リアクターのライヴがスタート。出だしは女性ヴォーカル主体で、やがて重厚なパーカッションと地響きのような男性ヴォーカルにシフト。原始時代を思わせるサウンドと、ギターやプログラミングによるトランスなサウンドとが融合し、別世界を構築している。中国雑技団のような前転の交差や肩車などの見せ場もあった。少し飛ばしすぎのような気もしたのだが、すると案の定、持ち時間よりも15分早く終了。
場所は9番ステージのみ。ステージは対面型ならぬ並列型で、向かって右がオーシャンステージ、左がマウンテンステージと名づけられ、ライヴは交互に進行。片ステージでライヴ中にもう一方でセットチェンジを行うという、効率的なやり方だった。両ステージの間の中央部には大きなスクリーンがあって、ステージの様子が映し出される。これにより、かなり後方からでもライヴの様子がよくわかった。ブロック分けは去年よりかなり単純化されていて、中央のブロック内にいれば、移動することなく両ステージを楽しめた。
実際どれだけの動員があったのかはわからないが、ライヴにせよ食事にせよ、結構快適に過ごせたと思う。個人的には2年連続で2日目のみの参加だったが、魅力的と思えるラインナップが揃い、スペースも充分に確保できて、仕切りもしっかりやれるのであれば、両日参加してもいいかなと感じている。なお開催期間中に、サマーソニック'05が8月13日、14日に開催されることが、正式に発表になった。
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