Fuji Rock Festival'05 Day 2-Vol.1 Dresden Dolls/Black Velvets/Maximo Park/Bravery
2日目は初日より若干遅めのスタートで、11時くらいに会場入り。まずはオアシスで朝食兼昼食を摂り、隣接しているレッドマーキーに足を伸ばしてドレスデン・ドールズを観ることに。ピアノ&ヴォーカルの女性、そしてドラムの男性の2人によるユニットだ。
2人は手をつないで入場し、バレリーナのように大きく礼をして、それからそれぞれの持ち場につく。顔は2人とも白塗りだ。女性のヴォーカルには張りがあり、鍵盤の音もメリハリがあって聴いていて心地いい。一方のドラムの男性だが、技巧派でありながら、時折ピエロのようなエキセントリックな動きをしてみせる。この人は曲によってはアコースティックギターも弾いていて、たった2人であるにもかかわらず表現力は豊富に感じる。醸し出している雰囲気がまた独特で、オペラか歌劇のような高貴なムードを漂わせつつ、ロックでパンクなスピリットが見え隠れしていた。
ライヴ終了後、次のバンドを待っているときに、突然ハプニングが起こった。私はステージ向かって左の前の方にいたのだが、左側には柵があって、その向こうはアーティスト始め関係者が通る通路にもなっている。そこに、ライヴを終えたばかりの2人が登場したのだ。そして女性スタッフが「two thousand yen!」と言いながらCDの手売りを始め、みるみるうちに人が集まってきた。私もその中に加わり、CDをゲット。そのCDを2人に渡すと、ジャケットにサインし、更に握手までしてくれた。実はライヴ中にCD即売をするようなことをMCで言っていたのだが、てっきりオアシスの方のどこかのブースで行われるものとばかり思っていた。それが突発的なこの騒ぎで、びっくりしてしまった。フジロックは会場内でアーティストを見かけることができるのも楽しみのひとつだが、こんなスタイルは前代未聞だ。もちろん嬉しかったけど。
続いては、同じくマーキーでブラック・ヴェルヴェッツのライヴを。オープニングのSEが「おれたちひょうきん族」のテーマ・・・じゃなくて、ウィリアム・テルのテーマ。それに乗せてメンバーが登場し、演奏を始める。しかしだ。たたずまいは思いっ切りオ−ソドックスなハードロック/ヘヴィメタで、一歩間違えばボン・ジョビのような産業メタルになりかねないポップさを備えている。もうちょっとヘヴィーでミクスチャーの要素を持っているかと思っていたので、肩透かしを食った感じだ。そして実は、この時間帯で私が気にしていたのはライヴよりもむしろ外の様子で、というのは、バケツをひっくり返したような激しい雨が降っていたのだ。
この後はオレンジコートに100sを観に行く予定でいたのだが、強い雨のためにオレンジに行くことを断念。このままマーキーに居残って次のライヴを少し観ることにする。そのお次のアーティストはビル・ラズウェルのプラクシスなのだが、これがなぜか時間になっても始まらない。いつまで経ってもセットチェンジをしていて、やがて本人まで出てきてスタッフにあれこれ指示を出している。何かトラブルがあったのか、それとも単にだらだらしていただけか。予定通りに始まっていれば20分くらいは観れたはずなのだが、結局プラクシスを全く観ることなく、グリーンステージに移動した。
フジロックでは、例年新人アーティストはレッドマーキーにブッキングされることが多いのだが、そんな中をマキシモ・パークはグリーンに起用された(去年のフランツ・フェルディナンドを思い出す)。雨が降りしきる中でライヴはスタートし、びしっとスーツをキメたポール・スミスが、モノトーンな声で歌いながら妙なアクションをする(日本語のMCもあった)。演奏はタイトにまとまっていて、曲毎にメリハリもある。ヒットシングル『Apply Some Pressure』は終盤に放ち、トータルとしてはソツなくこなしたという感じだった。彼らは4月にショウケースライヴをこなしていて、10月の単独再来日も決まっているそうだ。
レッドマーキーに舞い戻り、新鋭ブレイヴリーを観る。ブラック・ヴェルヴェッツのときに横の通路からオアシスの方に行くのが見えていて、恐らくはどこかのブースでトークショウか何かをしたのだろう。さてステージだが、ヴォーカルとベースがリーゼントヘアで、新人という初々しさよりもリバイバルっぽさが漂う。音は基本的にギターロックではあるのだが、クセのあるキーボードがアクセントになっている。にしても、ベースの兄ちゃんは血の気が多そうで、何かやらかしたくてうずうずしているのが観ている方にまで伝わってくる。と思ったら、終盤でベースを持ったままスピーカーから鉄骨をよじ登ってしまい、その上でベースを弾いていた。やっぱりなあ。
(2005.8.19.)
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