Fuji Rock Festival'02 Day 3-Vol.1 ゆらゆら帝国/Queens Of The Stone Age
パティ・スミス感動のステージを観終え、夕食を摂った後は帰り支度に取りかかった。グリーンステージはケミカル・ブラザーズのライヴ中ですごい人だったが、そんな中でレジャーシートをたたみ、懐中電灯で足元を照らしながらクルマに戻った。そうして、夜10時半にはホテルに到着。早めに切り上げたのは、3日目が朝から深夜までの長丁場になるからだ。
初日や2日目と同じように、やはり朝は9時過ぎに会場入りした。暑さは初日レベルに戻っていて、日差しがきつかった。この日、まずはゴーイング・ステディを観るべくレッドマーキーへ。フジテレビ系の音楽番組「Factory」のタワーレコ−ドのCMで彼らのライヴの様子が流されていて、少し気になっていたのだ。しかし、開始予定の10時半になってもバンドは姿を見せず、その代わりにスタッフが大声で呼びかけをしていた。開始時間が11時50分からにずれたのだそうだ(よって結局観れず)。
そしてグリーンの一発目は、'00のレッド・マーキー以来の出演となるゆらゆら帝国だ。普段の彼らのライヴのチケットは入手困難だそうで、だだっ広い野外ステージでのライヴは、今まで彼らのライヴを観たくても観れなかったファンにとって、格好の機会になるはず。それは、私とて同じだ。
トリオ編成で、ステージも最小限の機材のみが用意された感じ。そして始まったライヴだが、けだるくゆるい音で、朝の11時にお日さまの下で流れるにはあまり似つかわしくない。でも、これこそが彼らの持ち味なのかなと思ってしまう。MCもなく、ただ淡々と演奏を続ける彼ら。続ける?そう、気がつけば彼らは20分とも30分ともつかない間、おのおのの楽器を延々と弾いているのだ。途中痙攣するようなギターソロがあって、坂本くんはつま先立ちになっている。カメラがそのつま先を捕らえ、スクリーンに映し出していた。
初日グリーンステージのトリ前は、当初フー・ファイターズが予定されていたらしい。それが、フロントであるデイヴ・グロールが、別のバンドで活動するからだめになったと申し入れてきた。その"別のバンド"こそ、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ。バンドはセカンドアルバムをリリース直前で、来日は今回が初。がしかし、デイヴが参加することで、俄然注目を浴びるバンドとなった。しかもデイヴが手にするはギターではなく、ドラムスティックなのだ。
ステージ前は先程のゆらゆらのときよりは人が減ってしまい、なんか複雑な気分。しかしバンドはそんなことなどお構いなしとばかりに、最初から爆音を炸裂させる。ヘヴィー・ロックほどゴリゴリしておらず、パンクほど直球一本槍でもない。しかしそうした様々な要素が取り込まれたサウンドは、古いようでいて新鮮に感じられる。そしてカメラが追いかけるのはやはりデイヴで、上半身裸で顔をくしゃくしゃにさせながら激しく叩くそのさまが、そして両腕の刺青が、スクリーンに何度も映された。
(2002.8.10.)
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