Summer Sonic 2007/Day 1-Vol.1 Blue Man Group/120 Days/The Stranglers







例年サマーソニックにはクルマで現地入りしているのだが、今年は電車で向かった。海浜幕張駅に着くと同じ目的の人が多数下車し、駅構内は大混雑状態。切符の精算口に並ぶ列も長く、そして改札を出てみると「チケット譲ってください」というボードを掲げている人が乱立。更に駅を出ると、今度はダフ屋が乱立だ。駐車場では見られない光景だよなと思いつつ、一路幕張メッセの入場ゲートを目指すことに。


メッセの正面入り口前には2つの列ができていて、ひとつはグッズ売り場の列、もうひとつがリストバンド交換用の列になっていた。リストバンド交換の列に並ぶが、あと少しで交換というところにきて、驚愕の事実が。この列は1日券用で、通し券についてはほとんど並ばずに交換できたのだ。もちろん係員によるこうした案内はなく、毎年恒例の仕切りのクオリティの低さに、早速出鼻をくじかれる。





昨年は幕張メッセは1番から6番ホールまでを使用していたが、今年は1番から8番までがぶち抜きで確保されていた。そして、思ったよりも早く会場入りできたこともあり、軽く腹ごしらえした後に7番8番ホールに設置されているマウンテンステージに行った。テレビにもちょくちょく露出している、ブルーマン・グループを観るためである。ステージ後方には出店があって食べるものを買うことができ、その手前にはラフな骨組みの壇があって、幸いにもすいていた。ので、そこに腰掛けてステージを観ることに。


このユニットは顔面や手を文字通りブルーに塗り、黒いツナギを着た3人組である。日本語のナレーションが入り、ライヴにおけるアーティストやオーディエンスのあり方をちょっぴり皮肉を入れて解説し、ブルーマンたちはそれに倣ったパフォーマンスをする。手を左右に振ったりとか、ジャンプしたりとか。ブルーマンたちは、歌どころかことばを発することはなく、どうやらそういうキャラクター設定のようだ。ステージには3人以外にもサポートのメンバーがいて、ドラムやパーカッションを演奏。一方メーンとなる3人は、配管を転用したような自家製のパイプを打楽器としていたり、叩くと彩られた水が跳ねる仕組みにしたドラム缶を駆使したりしていた。終盤には倖田來未がゲストとして登場し(衣装はもちろんブルー)、1曲でコラボレーションした。





ショップエリアを横断して、ソニックステージに移動。こちらは3番ホールに設置されていて、120デイズのライヴの最中だった。この4人組はノルウェー出身だそうで、オーソドックスなギターバンドかと思いきや、フィードバックを効かせたノイジーなリフを発し、またキーボードによるエレクトロニックな音色も耳に残った。何より若さ溢れる元気なパフォーマンスに好感が持てた。イキがいいのは結構なことで、今後とも順調に活動を続けてサヴァイヴしてほしいと思う。


6番ホールのダンスステージを覗くことにし、ヤング・パンクスの最後の方にだけ間に合った。去年のナノ・ムゲン・フェスでも観ている連中だが、DJ卓をベースに男女のシンガーがド派手な衣装で動き回り、パーティチューンをかき鳴らして場内はダンスフロア状態に。続くシットディスコは、バンドスタイルではあるもののメンバーが担う楽器は不定形で、曲によりキーボードもヴォーカルも入れ替わっていて、かなり自由度が高い。それでいて音はダンサブルで、場内はまたしてもダンスフロア状態になった。





ずっとライヴを観てばかりでは体力も持たないので、ここで食事を摂ったりグッズを買ったりなどしてインターバルを取る。そしてソニックステージに出向き、今回楽しみにしていたバンドのひとつである、ザ・ストラングラーズに備える。場内の入りこそ今ひとつだったが、そんな中をベーシストにしてバンドの顔的存在でもあるジャン・ジャック・バーネルが真っ先に登場し、日本語で挨拶。さんざん語られていることだが、この人は空手の有段者であり、三島文学に心酔している親日家だ。


ヴォーカルの人は大柄でスキンヘッドでやたらと存在感があり、この人とバーネルとでバンドを牽引している印象だ。バーネルは時折ベースを弾きながら空手の上段蹴りをしてみせ、その足は結構上がっていた。ギタリストは、フロントの2人を立てるように控え目で、ギタープレイにのみ専念している。ドラマーがものすごい老けた人のように見え、この人大丈夫かなと思ったのだが、刻むビートは的確だ。


私はストラングラーズについては初期の作品しか聴いておらず、それで植えつけられたイメージはキーボードを主体としたパンクだった。しかし、ここで観ているバンドは生楽器を駆使した骨太ロックで、かつヴェテランならではの重みと深み、そして存在感の大きさを感じさせた。個人的には、セックス・ピストルズは96年に、ダムドは同じく96年にデイヴ・ヴァニアン&キャプテン・センシブル名義で、クラッシュは99年にジョー・ストラマーを、ザ・ジャムはポール・ウェラーのソロとして観ている。今回ストラングラーズを観られたことで、(多少強引ではあるが)ロンドン5大パンクバンドを制覇できたような気になった。


(2007.9.9.)
















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