Summer Sonic 2005/Day 2-Vol.2 Roddy Frame/Bloc Party/Teenage Fanclub/The La's







今年のサマソニはブッキングでかなり頑張ったと思うのだが、それはオアシスやナイン・インチ・ネイルズといったヘッドライナーだけでなく、ロディ・フレイムのようなアーティストを呼んだことにもある。個人的には94年の単独公演を観ていて、つまり実に11年ぶりに観ることになる。


 バンドはなく、ステージにはマイクスタンドがぽつんとあるだけ。まもなくロディが登場したのだが、黒を基調とした衣装に身を包んでいて、その体型は崩れることもなくスリムなまま。そして風貌も、CDジャケットで見るのとまんま同じ。歳を取らんのか、この人は。さて演奏の方は、新曲やもっかの最新作である『Surf』からの曲などが序盤に披露。ソニックステージにおいて、アコースティックギターと歌だけのライヴを楽しめるというのは、とても贅沢なことかもしれない。終盤はアズテック・カメラ時代の曲が炸裂で、『Stray』に『The Boy Wonders』に『Oblivious』ときた。演っている本人も気持ちよさそうで、とてもいいステージだった。単独再来日希望かな。





 ブロック・パーティーは、昨年のサマソニにも出演し、今年5月の単独公演も即完売になったという、ノリにノッていると言っていい新鋭だ。ソリッドなギター、そして黒人によるヴォーカルからは、ポストパンクっぽい雰囲気が感じられる。1曲1曲がコンパクトで、それを間を開けずに次々に連射していて、若いバンドっていいななんて思ってしまった。冗談か本気かわからないが、オアシスのノエルが彼らを目の仇にしていて、当初マリンステージ出演だったのがソニックステージに変更になったのも、ノエルのプレッシャーだったのかしらん。


 ソニックステージの両サイドは、関係者用の通路になっている。時にはアーティストがライヴを観に来ていることもあって、運がよければ(または気がつけば)その様子を目撃できる。ブロック・パーティー終了後のセットチェンジ中、私は木村カエラを目撃。時間的にロックステージでの自身のライヴを終えたばかりと見え、ラフな格好で首にタオルを巻いていた。かなり小柄でそして細身。顔もちっちゃかった。





 ティーンエイジ・ファンクラブも、個人的に観るのはずいぶん久しぶりだ。バンドの方はフェスや単独で割とコンスタントに来日しているのだが、私が観るのは97年以来となる。序盤は爽やかなギターポップで、新譜『Man Made』からの『It's All In My Mind』などを演奏。しかし中盤以降はギターがノイジーになり、演奏そのものもエモーショナルになってきた。代表曲『The Concept』ももちろん披露し、曲を重ねるに連れて場内の密度がどんどん濃くなっていくような気がしていて、まさにTFCワールドと化していた。





 そしてザ・ラーズだ。たったアルバム1枚だけのキャリアしかないにもかかわらず、伝説になってしまったバンド。そのラーズをよもや日本で観れる日が来るとは。長生きはするもんだよなあ(笑)。私はジョン・パワーが率いていたキャストのライヴは96年に観たことはあるが、ラーズを観るのはもちろん今回が初めてだ。


 リー・メイヴァースがステージ中央に立ち、左にはギタリスト、右にはベースのジョン・パワーが立ち、演奏がスタート。爽やかで懐かしくて普遍性を感じさせるメロディが奏でられ、えもいわれぬ感動に酔いしれる。後方の一段高いところにドラマーがいるのだが、よく見るとドラムセットではなくパーカッションだ。なので強烈なビートこそないが、細かく刻まれるリズムもラーズサウンドの持ち味のひとつなのだろう。


 曲間にメンバーがそれぞれ楽器を交換するが、リーが手にするのはいずれもアコースティックギター。MCはジョン・パワーが担当し、礼を言いつつオーディエンスとのコミュニケーションを図る。こんなテンポでライヴは進み、誰もが待ち望んでいたアンセム『There She Goes』も中盤辺りで披露された。私は彼らのライヴを40分ほど観て満足し、千葉マリンに向けて移動を開始した。


(2005.8.23.)
















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