Summer Sonic 2000 Vol.3 James Brown







キツい日差しもようやく和らいできた。夏場に長時間開催するフェスティバルでありながら、日陰がほとんどないというのはどういうことか。ブロック制を敷くことがやむを得ないことなどからも考えて、コニファーフォレストは今回規模のフェスティバル開催には相応しくないと断言する。出演バンドを3つ程度に絞り、午後4時ぐらいから開催するイベントとしてだったら成り立つだろうけど。








 ジェームズ・ブラウン。今更言うまでもないファンクのゴッドファーザー。発表したアルバムの枚数とその売り上げから、ゴージャスなライヴパフォーマンスから素晴らしく、そしてプリンスをはじめとして、影響を与えたミュージシャンは数知れず。オープニングMCを務めた春一番が先ほどとは違うガウンで再登場。アントニオ猪木の「道」を語り、そして最後は勿論ダアーーをやった。


 大人数のオーケストラが全員お揃いの衣装で登場。これだけでもう貫禄というか、風格を感じてしまう。アドリブか計算され尽くした結果なのかはわからないが、とにかく見事に整ったバンドアンサンブルに場内が引き締まる。


 そしてやっとJB登場。真っ赤な衣装だ。結構背が低い。…が、モッシュピットからペットボトルが次々に投げられ、その中のひとつがJBに当たってしまった。演奏をやめさせるJB。怒るJB。場内に不穏な空気が流れる。


 まずは自分で英語で言い、そしてスタッフをステージに呼び出して通訳させる。今度物を投げたらライヴを中止する、と。そしてライウは再開するが、なんとも後味の悪さが残ってしまった。バンドメンバーひとりひとりと掛け合いしてみたり、メンバーをどかしてその楽器を自分で演ってみたりするJBなのだが、このときの不快さをなかなか払拭できない。プロ野球の試合でも、ファンがスタンドからメガホンを投げ入れて試合が中断されることがある。やっぱり、マナーが悪いのはファンとして恥ずかしいよ、ね。


 予定時間を過ぎても一向に終わる気配のないJBのライヴ。JB自身が先ほどの中断による不快さを自ら取り戻そうとして頑張っているのか、それとも単にオレがJBなんだぜ、とスケジュールおかまいなしでライヴを続けているのか(笑)、観ていてこっちの方が段々ダレてきた。夕飯を摂りに、そしてひと休みするためにホテルに戻る。








 ホテルの部屋でほっとひと息つく。さて、まだライヴは終わってないはず。フレミング・リップスのステージ2は中に入るのが極めて困難だろうし、ジョンスペ観に行くかとふと窓から外を見ると、なんと強い雨が降っていた。あちゃー。さすがに降りていく気は失せて、私のSS2000 1日目はこれにて終了する。実際にはもちろんライヴは続けられ、ジョンスペ終了後には花火が上がった模様だった。


 会場の窮屈さと主催者の仕切りの悪さで、楽しさよりも不愉快さの方が勝ってしまった1日目だった。観たいバンドが半分しか観れなかった感じ。フジロックは、苗場に行くまでは結構大変だ。だけど着いて場内に入ってしまえば、前で観るもよし、後ろで寝そべって観るもよしで、長丁場を乗り切るためのコントロールを自分ですることができた。


 ところがこっちはどうだ。入場ゲートは2箇所に分かれ、通る度にチェックが入り、できなくてもいい列ができる。ステージ1はブロックで分けられ、中に入る人はまるで小屋に押し込められた動物のようだ。私はとてもじゃないがあんな窮屈なところに行く気にはなれず、結局後方からライヴを楽しんだ。


 そしてステージ2。入れない観れないではもうどうしようもない。冷房もない。風も抜けない。完全な選択ミスだ。2日目を楽しむため、自分の中のスケジュールを変更し、対策を練る必要がありそうだ。こんな自由のないフェスティバルでは。











(2000.8.21.)
















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