Fuji Rock Festival'07/Day 1-Vol.1 Blonde Redhead/Jarvis Cocker/Mumm-Ra







毎年前夜祭から参加しているのだが、今年は仕事の都合もあって26日の深夜に苗場入り。そして初日である27日は、朝9時過ぎに会場入りして、まずはチケットとリストバンドを交換。もっと混んでいて交換までに時間がかかると思っていたが、ものの15分程度で交換できた。その後入場ゲートをくぐり、ゴミ袋を受け取る。そして今年は、この場所に募金箱が設置されていた。ご存知の通り、フジロック開催の10日ほど前に新潟県中越地震が起こっていた。新潟では2004年秋にも中越地震があり、以来フジロックでは「Heal Niigata」と題した支援活動を行っている。募金箱は場内の至るところに設置されており、フジロック開催期間中に参加者や関係者から多くの募金が寄せられた。


天候は快晴で日差しが強く、黙っているだけで汗ばむ状態(日焼け止めを塗って臨んだものの、結果的には流れ落ちて日焼けしてしまった)。場内は、例年に比べて人が少なめのように感じ、毎年いつどのタイミングで買うか考えるグッズの購入も、今年はまず最初に買ってしまうことにした。グリーンステージの向かって右後方に位置しているアーティストグッズ売り場では、30分程度並んだ後に購入。この並んでいる最中に時刻が11時をまわり、グリーンステージのトップバッターであるサンボマスターのライヴをBGMにする形になった。この後はタワーレコードのブースで携帯から待ち受け画像をダウンロードし、抽選に参加してタオルをもらった。





さてライヴだが、私の今年のスタートはレッドマーキーで、スリーピースバンドのブロンド・レッドヘッドだ。プロフィールによると、活動拠点はニューヨークだが、ドラムとギターの2人はイタリア人の双子兄弟、そしてベース&ヴォーカルの女性はなんと日本人とのこと。しかし歌詞は英語でMCも特になく、日本人であることを前面に出すことなく、淡々と演奏をこなしていた。この女性は曲によりギターに持ち替えもしていて(つまりツインギターのベースレス状態)、それにより演奏がラフでハードコアに寄ることも。3人のコンビネーションは絶妙であり、それがオーディエンスの熱狂を誘って、真っ昼間のマーキー内は早くも興奮の坩堝と化した。個人的にも、いい出だしを切ることができた。


100組以上のアーティストが出演するフジロックで、毎年どうしても避けられないのがエントリーが決まった後のキャンセルだ。今年は直前になって立て続けに数組のキャンセルがあり、個人的に楽しみにしていたアーティストであるアルバム・リーフも、その中のひと組だった。ドタキャンだったためその枠の代替もなく、ここで空き時間ができてしまった。ので、いったん入場ゲートの外に出て、今度はオフィシャルグッズを購入することに。こちらも、例年なら1時間半は並ぶところを、今回は30分程度並んだだけで購入することができた。私は並ぶとか待つとかは決して好きではないが、毎年そうすることで全ての年のフジロックのオフィシャルTシャツを保持できているのが、密かな自慢である。





フェスティバルは、キャリアがあるアーティストにとって再出発するプロモーションの場としても機能することがある。かつてパルプのフロントマンとして活動し、解散後の沈黙を経て今年ソロアルバムをリリースした、ジャーヴィス・コッカーもそのひとりだ。ジャーヴィスが日本のステージに立つのは、恐らくはパルプとして来日公演を行った、98年以来になるのではないだろうか。


ステージに現れたジャーヴィスだが、そのさまは98年に観たときとあまり変わってはいないように見えた。ひょろっとした細身の体型に、長い髪にメガネ。よれよれでくねくねでふにゃふにゃの、「あの」ジャーヴィスのイメージのままだった。この暑さの中でスーツを着込んでいるのも、この人らしかった。ソロ名義での活動ではあるが、バックバンドは結構大所帯で、音の方もパルプ時代のポップセンスとは一線を画した、ハードに寄ったアレンジの曲が見られた。密かに期待したのはパルプナンバーの披露だったが、結局それは叶わなかった。


その代わりなのか、ラストにはなぜかブラック・サバス『Paranoid』のカヴァーが演奏された。原曲はラウドでパワフルなのに対し、ここでの演奏はどことなくよれよれしていた。今のジャーヴィスにとっては、パルプは「歴史」になってしまい「過去」なのかもしれないが、しかしそれでも、『Common People』だけは野外で聴いてみたかった。





グリーンステージからレッドマーキーに移動し、UKの新鋭マムラを。実は去年のフジにも同じくレッドマーキーに出ていたのだが、このときはまだメジャーデビュー前ということもあり、また個人的に他のアーティストとバッティングしていたためパスしていた。それから1年が経ち、晴れてデビューアルバムもリリース。そのパフォーマンスぶりは、たくましさの方が新人らしい初々しさを上回っていた。ギターを軸にした歌もの重視のバンドかと思いきや、間奏ではシューゲイザーの要素も垣間見せ、バンドが秘める表現力の可能性を感じさせた。今後の飛躍が期待できるバンドだ。


(2007.8.5.)
















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