Fuji Rock Festival'05 Day 1-Vol.4 Coldplay/Rosso







陽が沈み、降っていた雨もあがり、そしてグリーンステージ前には凄まじい人が詰め掛けている。そんな中で、コールドプレイのライヴが始まった。最新作『X&Y』は世界各地でチャート1位を獲得し、フジ出演はまさに絶好のタイミングと言えよう。本来ならヘッドライナーとして出演しても全然おかしくないのに、今回はトリ前としての登場だ。


がしかし、期待感たっぷりのステージなのに、ステージ上の照明が暗く、おまけにメンバー4人の衣装も黒っぽいがために、4人がどう動いているのかがモニターを通してでも判別しづらくなっている。3曲目くらいの『Yellow』で黄色い照明がステージを照らし、ようやく4人のプレイぶりが明確になった。


『Politik』、『Yellow』、そして新譜『X&Y』からの先行シングルでもある『Speed Of Sound』と、アンセムの連続だ。セカンドまではピアノのメロディーを前面に出した叙情派サウンドが魅力的だったのだが、『X&Y』ではその叙情派的な側面を失うことなく、更にパワーアップし一段上の高みに上り詰めた感があって、特にギターのリフが印象的になったと思っている。





中盤では4人ともステージを降り、向かって左側の手前のところでのアコースティックセットとなった。グリーンステージでこんなことが行われるのも、前代未聞ではないだろうか。そして終盤だが、『In My Place』のイントロが響いた瞬間、やられたなあと思った。ここまでが既にアンセムの連続であったはずなのに、ここへ来て奥の手というか切り札を出されたような気がしたのだ。


もちろん素晴らしいライヴであったことに変わりはないのだが、いくつか注文もつけたい。クリス・マーティンは、なぜかこの後登場するフー・ファイターズの『Best Of You』の歌い出しのところをしきりに連呼。とてもじゃないがオマージュという感じではなく、茶化しているようにしか見えなかった。なんでこんなことをしたのかよくわからないし、これはライヴの流れを締まりのないものにしてしまったと思う。最初に書いたように、照明が暗かったのも残念だ。コールドプレイは日本ではフェス出演のほかはシークレットライヴしか行っておらず、早期の単独再来日が望まれる。会場は、やっぱり武道館に進出してしまうのかな?個人的には、国際フォーラム辺りで観たいなあ。

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レッドマーキーでは、既にロッソのライヴが始まっていた。コールドプレイをフルで観た後に乗り込んで行ったので、もしかしたら入場規制で観れないかなという心配もあったのだが、意外や付け入るスキはあって、ステージ向かって左前方に進入することができた。ちょうど『アウトサイダー』を演っているところで、まだ序盤にもかかわらず場内は既に大熱狂。ただ、個人的にはホワイトのトリでもいいくらいだと思っていたので、当たり前のヴォルテージだ。


そして必殺の『1000のタンバリン』も、序盤のうちに演ってしまった。ミッシェル・ガン・エレファントのラストシングル『エレクトリック・サーカス』では、「この鳥たちがどこから来て どこへ行くのかと同じさ」と歌われているが、『1000のタンバリン』ではそれに呼応するかのように「鳥たちはまた飛んだ」と歌われている。つまり、ミッシェルがなくなってしまったその後を引き受けるという、メンバーの決意表明のような曲なのだとい思う。それを裏付けるかのような熱狂的なステージ、そして熱狂的なファン。ここにまた、非日常の異空間が生まれた。

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(2005.8.19.)
















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