Fuji Rock Festival'03 Day 2-Vol.1 電撃ネットワーク/The Raveonettes







前日のグリーントリアンダーワールドのとき、一時的に雨は止んだ。こりゃ、もしかして天候が回復するのかもと思ったのだが、2日目の朝も、目覚めて外を見てみれば雨。この日も消耗戦になるのか・・・。夜まで過ごすことを考えて、スタートは気持ち遅らせることにして少し部屋で休む。そして11時近くになると、ポンチョをかぶり、初日とはまた違う靴を履き、着替えも持ち、そして心を引き締めてホテルを出発した。





この日の私のスタートは、レッド・マーキーの電撃ネットワークだ。フジロックには過去何度か出演していて、その過激なパフォーマンスがテレビなどで結構露出しており、話題性も豊富なユニットだ。そういや、昨日はホワイトステージの進行をやってたな。でもって、マーキー内は既に人人でみっちり。恐らくは雨をしのごうとする人たちが集まっているのと、電撃の人気の高さなのだろう。


まずは演奏からスタート。テレビで観かける以上に彼らのことをよく知らない私は、てっきりパフォーマンスオンリーのユニットだとばかり思っていたので、これにはびっくり。これが10分ほど続くが、やがてお馴染みのテーマ曲が流れ、メンバーがキメのポーズを(オーディエンスもそれに倣う)。いよいよ、メインであるパフォーマンスが始まる。場内は人だらけで蒸し蒸ししてきたので、たまらず外に出て、後方のスクリーンからステージの様子を見ることにした。そのスクリーンの前も、凄い人の多さだ。


さてここからだが、まあいろいろあれこれとやるわやるわ。うなぎを丸呑みしたり、手にアロンアルファを塗りたくってドラム缶を持ち上げたり、股間に紐をつけて持ち上げたり、テレビで観ているときだと、ああああこんなことやっちゃってという具合に「引く」のだが、実際自分が現場にいると、やっていることが如何に無茶かというのが、ひしひしと伝わってきて、まるで自分の体が痛められたような感覚に陥る。きっと、観る者にそうした感覚を抱かせつつ、結局やってのけてしまうのが、彼らのプロとしてのプライドなのだろう。





雨で始まった2日目も、電撃が終わるころには止んでいて、空は晴れ上がっていた。ポンチョを脱いでバッグにしまい、逆に顔や首や腕に日焼け止めを塗って、今度は暑さに備えることに。しかしじりじりするような日差しではなく、結構過ごしやすい。この後はお昼を摂り、少し休んで再びマーキーへ。お次は、レヴォネッツだ。


軸になっているのは男女のツインヴォーカルで、2人はそれぞれギターとベースも弾いている。一聴したところ、60'sの香りがぷんぷんする音なのだが、といって単にその当時の音をそのまま古臭く再現させているのではなく、時にはガレージのように荒っぽく、時にはテクノ調の曲もあって、まさに変幻自在。先人たちへのオマージュを隠さずオープンにしつつ、でも今の時代に生きる自分たちの感覚で解釈し、披露するといったたたずまいは、今どきあまり珍しくない。のだが、ニューカマーながらこの編集能力の高さは、デビューした頃のベックとか、昨年のフジで観たホワイト・ストライプスを彷彿とさせる。





(2003.9.14.)
















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