Fuji Rock Festival'01 Day 2-Vol.4 South/Stereophonics







個人的にはトータルでは寂しく感じた昨年のラインナップだが、その中にあってレッドマーキーだけは充実していた。が、今年はそれ以上だと実感している。先程のクーパー・テンプル・クロウズに続き、またもやニューカマー、サウスが登場だ。デビューアルバムは全18曲70分オーバーで(日本盤ボーナストラック2曲含む)、聴いても聴いてもなかなかアルバムが終わらないてんこ盛りの内容。てんこ盛りという満腹感はアルバムトータルとしてもそうだし、1曲1曲の密度にしてもそうだ。これが果たしてライヴだとどうなるのか?


アルバムでは幾分おとなしめに聞こえた音だが、これがライヴではラウドでヘヴィーな音に生まれ変わっている。そしててんこ盛りの満腹感はアルバムそのままだ(いやそれ以上か)。核になっているのは3人のメンバーによるギター、ベース、ドラムの生音がぶつかり合うバトルだ。3ピースという最小限のバンド編成にして、最大限の音を出さんとする渾身の演奏に、ただただ見とれてしまう。更にステージは2人のキーボードのサポートを得て、表現力は広がりを増している。メンバーに突出した個性が感じられないのが少し物足りないが、彼らの場合はそれでいいのかもしれない。





ステレオフォニックスの日本デビューは3年前のフジロック。そのときはグリーン2バンド目の出演で、それこそ期待のニューカマー的存在だった。その後本国では一気にスターダムにのし上がり、日本でも着実に成長を遂げて熱狂的な支持を得るに至った。前日のトラヴィスと同様、今やフェスではヘッドライナークラスなのに、まだ日が沈む前に出演とは、ぜいたくな限りだ。


私がグリーンに戻ったときは、既にライヴは始まっていて、『The Bartender And The Thief』の最中だった。この後セカンドからの曲が少し続き、そして最新作からの曲へと流れる。最新作『J.E.E.P.』は大人になったというか、落ち着いて安心して聴けるような曲が多く、それはライヴになっても少しも変わらなかった。メンバーはもともとは3人だが、今回はツアーサポートとして2名がバンドに加わっている。


ただ・・・、こんなふうに感じたのは私だけなのかもしれないけど、午後5時から6時という時間帯というのは、野外ステージで演奏するにはとても微妙な時間帯なのではないだろうか。朝の一発目なら勢いで蹴散らせばいいし、午後2時とか3時という最も暑い時間帯なら、晴天の気持ち良さをライヴにプラスアルファとして加えることができる。そして日没後なら、暗くなった場内にステージから光が放たれ、夜の自然を神秘的なものとしてライヴに取り込むことができると思う。今回のステレオフォニックス、演奏として何が悪いということはなく、むしろ精度は高くしっかりしたものだったと思うのだけれど、ああこれが野外フェスなんだという特別な瞬間になることはなかったように思う。


(2001.8.5.)
















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