Summer Sonic 2006 Summary サマーソニック2006を総括する
東京と大阪の同時開催という形式を取り、今年で7回目となるサマーソニック。私は2年連続通算5回目の参加で、東京会場に足を運んだ。今年は昨年以上の早さでチケットが売り切れたが、それは豪華ラインナップに対して参加者が下した評価なのだと思う。ここでは私の独断と偏見により、良かった点と改善すべき点を列挙してみる。 |
1. 会場 | 千葉マリンスタジアム/幕張メッセ |
2. 仕切り | 主催者の手際はよかったのか |
3. ショップエリア | 食事やグッズ売り場はどうだったのか |
4. コスト | チケット代について |
5. ラインナップ | 昨年に引き続き充実を見せる |
6. トータル | 全体としてどうだったか、そして来年に向けて |
1. 会場 | 千葉マリンスタジアム/幕張メッセ |
まずはインドア。昨年は幕張メッセの1番ホールから8番ホールまでをぶち抜きで確保していたが、今年は7番8番で恐竜展が開催中だったこともあってか、1番から6番までの確保になっていた。昨年もそうだったのだが、全般的にメッセ内は息苦しく、圧迫感ありありで、快適とは言い難かった。巨大なブタ箱に詰め込まれている気分だった。 メッセ内のライヴステージは2つに絞られ、両端に設置。その間は物販、食事エリア、お笑い芸人のパフォーマンスステージ、エアギター選手権などのスペースになっていた。マウンテンステージは、昨年は1番2番で設営されていたが、今年は1番ホールに設営。つまりは縮小で、このためマウンテンステージではいくつかのアクトで入場規制が発生した。事前に会場や恐竜展側とうまく調整し、昨年と同じ規模で実施できていれば、規制は免れたのではないだろうか。 アウトドアは、千葉マリンスタジアムは例年通りだが、アーバン/ダンスステージ、アイランドステージ、ビーチステージと3つのステージが設営され、またメッセから千葉マリン方面への導線の途中には、非常に小規模ながらリバーサイドガーデンというステージもできていた。サマソニというと、アウトドアは千葉マリン一辺倒だったイメージがあるが、ここ数年で少しずつステージを増やし、フェスとしての幅を広げたと思う。 |
2. 仕切り | 主催者の手際はよかったのか |
開催に関するもろもろのアナウンスは早めに行われ、例年行っているテレビでの特番もあり、参加する側としては予定が立てやすかった。チケットの売り切れが間近であるというアナウンスをこまめに出していたのも、よかったと思う。 チケットとリストバンドとの交換場所が数箇所に分散されたのは昨年と同様だが、メッセの駐車場側の交換所では、1日券と通し券とで受付が分かれているにもかかわらず、列は1列になっていた、係員が呼びかけをしないから、並ぶ側はわからずにとりあえずできている並ぶしかなく、分かれていることがわかるのは直前になってからだった。 他にびっくりしたのは、メッセ内に入場するときには荷物のチェックが一切ないことだった。どうチェックするかは長年の課題だったと思うのだが、「何もしない」とは、ずいぶんと思い切ったことをしたもんだ。千葉マリンスタジアムほか、アウトドアステージの方はどうだったのかな。 メッセ内のマウンテンステージ及びソニックステージは、出入り口が無意味に柵で仕切られてとても狭く、そしてくねくね歩かされるようになっていた。特に退出時には大渋滞を巻き起こし、出るのに20分かかるのもザラではなかった。適時柵を畳むなどして入退場がスムーズに行えるよう促すとか、そういうことがどうしてできないのだろうか。 そして最もひどかったのは、初日夕刻にソニックステージに出演予定だった、キーンのキャンセルのアナウンス。私はマウンテンステージで進行MCから聞いたのだが、これがなんと出演予定時刻の40分前!いくらドタキャンとはいえ、未だかつてこれほどまでにギリギリのアナウンスがあっただろうか。来日していないのだから、どう考えてももっと早くに発表ができたはずなのに。さすがはサマソニだ(苦笑)。 |
3. ショップエリア | 食事やグッズ売り場はどうだったのか |
インドアは幕張メッセ内に集結し、相当数の出店が立ち並んでかなり充実。座席もかなり用意されていたし、4番5番ホールでは、食事をしながらお笑い芸人のパフォーマンスも堪能できるようになっていた。千葉マリンスタジアムは、中にある常設の売店やレストランが稼動し、またスタジアム近辺にも出店が並んでいた。他のアウトドアのステージはどうだったのかな。 グッズ販売については、 オフィシャルグッズの売り場は数箇所に分散され、アーティストグッズは出演ステージに隣接する売り場で販売という形が取られた。個人的には、2日目午前にインドアの売り場でオフィシャルTシャツを購入しようとしたのだが、ほとんどのデザイン及びサイズが売り切れになっていた。テントの前方上部には販売されるTシャツが展示されているのだが、こういう状態ならなぜ売り切れたTシャツを随時撤去しないのだろうか(アーティストTシャツ売り場側ではそれが成されていた)。私を含め、まだ買えると思った人が集まって、無駄な混雑が生まれただけではなかったのか。 |
4. コスト | チケット代について |
毎年値上げの一途をたどっていて、今年は1日券14,500円、2日通し券26,500円となった(参考までに、昨年は1日券13,000円、2日通し券24,000円だった)。ただしこれは東京会場で、大阪は出演アーティスト数が若干少ないことが加味されたのか、1日券13,500円、2日通し券24,500円となっていた。しかしそれでも、東京では全ての券種が開催前に完売し、昨年に引き続いて当日券が一切販売されなかった。私は今年、プロモーターの会員先行で2日通し券を購入した(会員先行だと、2,000円引きで購入できた)。 |
5. ラインナップ | 昨年に引き続き充実を見せる |
個人的には、1年くらいヘヴィーロックに寄った年があってもいいのではと、ここ数年ずっと思っていた。今年のサマソニが、マリンステージにおいてメタリカとリンキン・パークを筆頭とし、ヘヴィーロック勢の充実を実現したので、このことは評価したい。 マリンステージ、マウンテンステージ、ソニックステージの3ステージがサマソニの顔的なステージで、今年もこの3ステージはそれぞれに豪華な顔ぶれが揃った。ただ今年は、新たにアウトドアにできたステージのラインナップも結構充実しており、単にステージを作った増やしたというだけでなく、その内容も密度の濃いものにできているので、これは立派だと思う。 |
6. トータル | 全体としてどうだったか、そして来年に向けて |
フェスティバルの主役はやはり音楽そのものであり、その意味でラインナップが充実できていることは評価に値する。ただその代わり、ラインナップを豪華にしさえすれば、細かいところには気を配らなくてもいい的な主催者側の姿勢も感じてしまって、それはやはり問題だと思うし、受け入れられない。 仕切りの悪さは第1回から露呈していて、改善されたところももちろんあるが、改善されずに毎年同じような不具合を繰り返しているところの方が多く、不愉快かつ残念でならない。都市型フェスと銘打って、インフラは既存の施設を利用しているのだから、もっと仕切り面に力を入れていけばいいフェスになるはずなのだが。個人的には、自分の琴線に引っ掛かるアーティストがブッキングされれば参加はするが、そうでなければ参加はしない。この想いは、今年参加し終えた後でも変わらない。なぜなら、仕切りの悪さを毎年毎年繰り返している以上、サマーソニックを「フェスティバルとして」支持する気には到底なれないからだ。 |