Summer Sonic 2000 Vol.5 Mansun







ホテルに立ち寄って少し休む。ステージ2は蒸し風呂状態。ステージ1は木陰がほとんどないとあっては、後はホテルのロビーで涼むしかない。午後のライヴに備えて。


 と、ぞろぞろと外人の一団がロビー前を通りかかる。恐らくはこれから出演するミュージシャンのような気がするのだが、はて…とじっと見ると、タヒチ80のvoの人を発見。弾かれたように立ち上がり、近くによって握手を求める。彼はなんとも爽やかに笑みを浮かべながら、差し出した手を握り返してくれた。








 ステージ1はトライセラトップス。前日のドラゴンアッシュ同様、今回観れるのを楽しみにしていた日本のバンドである。コチラも観たのはライヴ後半だけだったが、音にパワーがあった。そして、野外ステージを自分たちのモノにしているという説得力があった。機会があれば、もう一度観てみたいバンドである。


 そしてマンサン。正直に言うと、ステージ2はあんな状態だし、タヒチは10月に単独来日するので今回はいいやと観るのをあきらめてコチラに来たという感じだ。前作『Six』は私にとってはほんとうに素晴らしい優れたアルバムだし、だからこそそのときのライヴレポートはあんな取り乱した書き方にもなった。が、新作『Little Kix』はポール・ドレイバーの失恋をテーマにした内省的な曲が多く、サウンドの質感もファーストの頃に「戻って」いる。大きな落胆こそないが、私が今のマンサンに期待するところはほとんどない。


 ちょっとふっくらした感じのポールはグラサン姿で登場し、「モットモットサワゲー」と煽る。前日は大阪の方に出演しているが、ポールの機嫌がよくなかったのか、それとも集ったオーディエンスに問題があったのか、ライヴの出来は今ひとつだったそうだ。それが、この日は最初から飛ばしているポールである。チャドはこの暑いのに見てる方が暑苦しくなるようなサイケな衣装をまとっている。ブライアン・ジョーンズみたいだ(笑)。


 思った通り、ファースト+新作からの曲が中心となる。ポールはなおもアクティブにステージ上を動き回り、ついにはステージを降りてしまう。最前のオーディエンスとハイタッチを交わす。必死でオーディエンスを煽ろうとするその姿は、観ていてちょっと痛々しい。ひょっとしてポールという人は、日によって気分にムラがある人なのだろうか。


 ライヴの最中ではあるが、私が気になってしようがなかったことがもうひとつ。それは雲行き。空には真っ黒な雲が立ち込めているのだ。おかげで少し気温は下がっているようだが、雨はやっぱりキツい。なんとか持ちこたえてほしいのだが・・・。











(2000.8.23.)
















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