Fuji Rock Experience Vol.5 東京スカパラダイスオーケストラ / UA







2日目は、1日目にも増して晴れ晴れとしていて気持ちがいい。というか、大袈裟でなく雲がひとつもない。1日券、2日券の人が長蛇の列を成して並ぶ中、3日通しの私はすいすいと入場。1日目とほぼ同じ木陰にレジャーシートを広げる。


11時より少し前、"テーマ曲"『田舎へ行こう』が流され、そして1日目のハイスタの前に顔を出していたナワン・ケチョによるチベット解放の訴えが成される。この日は土曜日ということもあってなのか、1日目に比べて異様に人口密度が高い(結局、動員数は1日目22,000人、2日目が最も多く30,000人、そして3日目は20,000人だったという)。





 東京スカパラダイスオーケストラは、昨年はエヴァークリアの代役として、そしてシークレットゲストとしてホワイトステージに出演した。それが、今年は晴れてグリーンステージへの出演である。しかし、ご存知の通りバンドは悲劇に襲われていた。ドラマー青木達之さんの死。またか。どうしてこうもスカパラは人の死に見舞われるのか。もういいじゃないか。もうたくさんじゃないか。どうして、ここまで彼らは悲しみを背負わされるのか。・・・しかし、バンドは解散しなかった。立ち止まらなかった。BJCの中村達也をサポートとして迎え入れ、全国ツアーを予定通りにこなしたのだ。そして、この日真っ先にステージに姿を見せたのは、上半身裸の達也だった。


他のメンバーはシルバーのスーツに身を固めている。このクソ暑い中を、だ。ルパン三世のテーマ、そして最近シングルカットされた『火の玉ジャイヴ』などが飛び出す。ステージ前は、あくまで体感だが昨夜のレイジ並に人が密集し、そしてモッシュの嵐。痛快。そして鮮烈。前日のRFTCを大きく上回る快調な出だしだ。30~40分くらいの演奏時間だったと思うが、もっと持ち時間をあげてもよかったと思う。





続いてはソニック・ユースと親交も深いボアダムス。しかし私は寝ていた。そしてUA。UAのときも前半は眠り、そして後半は食事タイムに充てていた。決して彼らに興味がなかったわけではなかったのだが、この2日目は私にとっては大激戦区であり、以後休むことができないための苦渋の選択だったのだ。特にUA。彼女がパティ・スミスの『Because The Night』をカバーしていると聞き、実は気になっていた。UAをじっくり見れなかったことは、今年のフジロックの中で私の数少ない心残りだ。それでも、彼女が放ったこの一言は、フジロック史上に残る名言となったに違いない。




自然っていいよねっ!




さてその昼食だが、グリーンステージより出口よりのところにVirgin TentとNew Band Stageがあり、その周囲にあるショップエリアにてタイラーメンを買って食べる。うまかった。そして、今回は恐らく何も見れないだろうと半ば断念していたNew Band Stageの方に足をのばす。


New Band Stageの出演バンドが発表された当初、MAD3とかWinoとか、私でも既に知ってるバンドが名を連ねていたので、どこがニューバンドなんだあ?と首をかしげていたものだが、今ライヴをやっているのはオフィシャルHPで公募の上選抜されたバンドの1つ、大阪出身のネコグルマだった。リズム隊にパワーがあり、そしてステージ上のメンバーは弾けていた。ほんのわずかだけしか見なかったが、結構好感触である。彼らは今後も疾走し続けることができるだろうか。


(99.9.3.)
















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