Fuji Rock Returns Vol.1 フェスティバルスタート
何故だ。どうして雨が降ってるんだ。フジロックは呪われてるんじゃないのか、全く。と、朝から動揺して浮き足立ってしまう。前夜に準備した荷物を再チェックした上で、ポンチョと合羽を更につめ込む。バッグが2つになってしまった。重い。こんなの持って果たして会場まで無事にたどり着けるのだろうか。
フジロックフェスティバル'98は東京での開催となった。車での来場は禁止。よって電車で向かう。イギー・ポップのCDをディスクマンで聴きながら気分を高めていく。電車を乗り換える度にそれっぽい連中の数が増えてきて、やがて最寄である地下鉄豊洲駅に着く。改札、それと駅周辺はもう人ひとでいっぱいだ。友人と9時に待ち合わせしており、合流して一路東京ベイサイドスクエアに向かう。
ところが、だ。ながあい人の列が歩道にできていて、ぐねぐねと渦のようになっている。これじゃまるで去年のW杯予選のときと同じだ。なんでこんなことになってるんだ。開場が遅れでもしたのか。だいたい交通整理の人数が少なすぎる。事前にわかっていることのはずなのに、この準備不足はどういうことか。交通手段を公共機関に全面的に押し付けたあげくがこのざまか。更に、ルールを守らず割り込みしてる連中までいる。恥を知れ。去年の教訓はどこにも生かされていないのか。こんな状態でフェスは成功するのだろうか。早くも不安だ。
1バンド目のミジェットに間に合うように9時に集合したつもりだったが、早くも思惑がはずれ、結局1時間半以上かかって会場の門をくぐった。去年と同様にチケットを渡してその代わりに腕にリストバンドをつけてもらう。なんか去年のより安っぽいぞ。そしてゴミ袋やうちわをもらう。なるほど、この辺りは考えているらしい。しかし、もう11時近い。演奏している音が聞こえてくる。時間的にステレオフォニックスかホフディランだろう。
グリーンステージの方に行ってみる。雨はもうやんでいたのだが、人が通る道になっているところはどろどろになっている。去年を思い出す。ステージに近い方からAブロック、B、C、Dとなっていて、Aブロックは既に大モッシュ状態。Bブロック以降もレジャーシートで埋め尽くされていて、とても敷けるような状態ではない。仕方がなく、最後方の日よけテントの少し前くらいのなにもないだだっ広い敷地にレジャーシートを敷き、観たいバンドのときは前まで行くことにする。どうやら演奏していたのはミジェットのようだった。最初から時間遅れてる。また不安になる。
曇ってはいるが、一応日焼け止めを塗る。友人は、ホワイトステージに少年ナイフを観に行った。この友人は、私の会社の同期で、去年も共に地獄を体験した。6、7月が忙しかったらしく、なんと少年ナイフしか事前に聴いていないという強者だが、音楽の知識に関しては私など足元にも及ばないくらい多岐に渡って知っている。去年のレポートでイエモンわからんと私が書いたのを読んで、イエモンはメンバー全員が静岡のインディーメタルの出身で、音楽的基盤はしっかりしている。フェス出場は是だ。ただしイエモンのファンには問題があるが、と私に教えてくれた。
グリーンステージではステレオフォニックスが始まった。結構イイ感じだ。しかし、体力温存のためシート上に立って双眼鏡で見るにとどめる。そして、演奏が終わるのを見届けてから、グッズ売り場に向かう。が、すごい人の列。何重にも並んでいる。並んでいるうちにブランキー・ジェット・シティーが始まったらしい。なんかカッコいいgのリフだな。ん、めまい?いや、モッシュで地面が揺れているのだ。すごいな。というか、ここの地盤は大丈夫か。結局ブランキーが終わるぐらいにやっと買い終えることができた。Tシャツ7枚、オフィシャルプログラム、それとベックのプログラム(というかこれは写真集)。2万以上飛んだ。
(98.8.3.)
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