Fuji Rock Festival'06 Day 2-Vol.1 Wolfmother/Fields/The Rifles







初日は若干雨が降っただけで、ほとんど曇りで済んだ。日中は過ごしやすく、夜はむしろ肌寒いくらいだった。そして2日目だが、最初のうちは曇り空だったのが、徐々に晴れて日差しが覗くようになってきた。


この日はグリーンステージからスタートで、まずはオーストラリアのウルフマザー。ギター&ヴォーカルはアフロヘアでヴィジュアル的にも目立つものがあり、そしてギタープレイには母国の大先輩AC/DCやレッド・ツェッペリンのような王道ハードロックの血を継承しているところが伺える。甲高いヴォーカルは、ロバート・プラントもしくはマーズ・ヴォルタのセドリックを思い起こさせるものがある(アフロヘアーも共通してるし/笑)。


スリーピースということで、ギター、ベース、ドラムの生楽器によるコンビネーションあるいはバトルに終始したバンドなのだと思っていたのだが、彼らは更に幅広い音楽性を見せてくれた。ベーシストがキーボードを斜めにさせて、片手で鍵盤を弾きながらもう一方の手でベースを弾き、両方の楽器を同時に弾くという荒技に出たのだ。音の方も、骨太ギターロックにプログレ風のテイストが加わり、それがグリーンステージ敷地内いっぱいに広がった。かつての偉大な先人たちが発してきたロックを継承しつつ、それがただの焼き直しではなく、今の世代ならではの解釈をしていることに、なんだか嬉しくなった。彼らの曲は現在のiPodのCMでも使われているので、数年前のジェットがそうだったように、この後大ブレイクを果たすかもしれない。





続いてはレッドマーキーに行き、フィールズを。UKの6人組で、まだEP盤を1枚出しただけというド新人。しかも、フェスに出演するのはこのフジロックが初めてなんだとか。ライヴには自信があるとヴォーカルのニックはインタビューで言っていたのだが、果たしてその実力は如何に?


ライヴを牽引するのは、そのニックと女性ヴォーカルのソルンの2人。ソルンは金髪がきれいでヘッドバンドを巻き、白いスリップドレスを着ていて、見た目は60's後半のサイケ期を思い起こさせる(ちなみに、父親はアイスランドの国歌を作った人なんだとか)。ビジュアル的には目立っている反面、かなり異様とも思えた。パフォーマンスとしては、ツインヴォーカルのコントラストが絶妙でかなりの好感触。しかしこのバンドの真価は、間奏に差し掛かったときに発揮された。ノイジーでメタリックなシューゲイザーサウンドが、まるで津波のような勢いを以って襲ってきた。ソルンはキーボードも担当しているのだが、彼女が叩く鍵盤の音色がそのシューゲイザーに被さって、硬質でありながら美しくしかもパワフルで圧倒的だった。度肝を抜かれてしまった。


フェスが終了し日常に戻ると、フェスで観ていい感触を掴めたアーティストのCDを買って聴き直し、改めて余韻に浸るということを私はしている。おととしならフランツ・フェルディナンドや!!!、去年ならギャング・オブ・フォーやマキシモ・パークがそうだった。そして今年は、1も2もなくフィールズだ。EP『8 From The Village』は8曲というヴォリュームではあるが、やはり手ごたえは充分。フルアルバムのリリースが待ち遠しいところだ。





ここからしばらく、レッドマーキーに居座ることになる。お次はライフルズで、こちらもまだシングルを出しただけの新人だ(アルバムは9月リリース予定とのこと)。4人組で生楽器のみというオーソドックスな編成だが、新人らしい若さを弾かせつつ、演奏そのものは地に足のついたかのような安定感が漂っている。ドラムやベースといったリズム隊は的確にビートを刻んで後方支援し、そして2本のギターが前面に立ってライヴを牽引。この場でのパフォーマンスは上々だったが、今後どう飛躍できるかが注目だ。


(2006.8.25.)
















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