Fuji Rock Festival'05/Day 3-Vol.1 あふりらんぽ/Sanch/The Magic Numbers/Ego-Wrappin'
さて3日目だが、この日は2日目と同じくらいに会場入りし、まずは朝食と昼食を兼ねた食事を摂る。そして移動を開始。グリーンステージではザ・ナックがライヴ中で、なぜかMr.ビッグの『To Be With You』を演っていた(ドラマーが元Mr.ビッグの人だということを、後になって知った)。
この日は空に雲が多く、日差しもやんわりで過ごしやすい感じ。どうか雨が降りませんように。そしてホワイトステージにたどり着き、あふりらんぽを観る。日本人女性オニとピカによるユニットで、オニはなぜか苗場スキー場のパンフのようなボードを掲げて登場。2人とも赤い衣装で、顔にはメイクを施している。
演奏は、前日のダイナソーにも劣らないくらいの轟音で、オニはギターをガンガンに弾き、ピカは激しくドラムを叩く。ヴォーカルもツインで、「ドドドドドーー」とか「アアアアアアーー」とか、擬音が多い。一見してビジュアルのインパクトが強く、キワモノのイメージがある2人だが、演奏の方は割かししっかりしていて、そしてうまい。こうした技術的な下地があるからこそ、好き放題いろいろやれるのかもしれない。終盤、オニはドラムセットに上がってそこでギターを弾きまくった。裸足だった。ソニック・ユースに愛され、既に海外でも認められている彼女たち。これから先が楽しみだ。
ジプシー・アヴァロンに行き、Sanchを観る。このバンドは、俳優佐野史郎がギターとヴォーカル、シアターブルックのエマーソン北村がキーボード、横道坊主の人がベース、そして女性ドラマーという編成だ。佐野は野外でライヴをするのは高校生のときに中津川フォークジャンボリーに飛び入りして以来だと言い、歌いながらアコギを弾く。その声はソフトで優しく、怪演ぶりを見せている俳優としてのイメージからはちょっと想像がつかなかった。加藤紀子がゲストとして出てきて、1曲だけ参加。ほのぼのムードの中で、ライヴは進められた。まもなく新譜がリリースされるのだそうだ。
この後のグリーンステージのエゴ・ラッピンのライヴのときに、佐野を目撃した。すぐ近くに横道坊主の人と女性のドラマーもいて、皆ステージに見入っていた。そのステージでは、エマーソン北村がバンドのひとりとしてキーボードを弾いていて、佐野たちはそのプレイを観ていたのかもしれない。
ホワイトステージでザ・ゴー・チームのライヴを横目に見て、グリーンステージでは環境保護などを訴える団体のスピーチを横目に見て、そしてレッドマーキーまで舞い戻ってきた。兄妹2組によるバンドというユニークな編成の、マジック・ナンバーズを観る。音も雰囲気もソフトで、ほのぼのムードのまったりロックという感じ。ヒット曲『Forever Lost』を序盤で披露し、場内を温かく包んだ。この後フューチャーヘッズのライヴ前に、マジック・ナンバーズのヴォーカルの人をオアシスで目撃。握手してもらったのだが、満面の笑みで手を握り返してくれた。いい人だ。
フジでは最早常連といった感のあるエゴ・ラッピン。過去の出演ステージはホワイト~ヘヴン~マーキーときていて、今回はついにグリーンに進出だ。大所帯のバンドが演奏を始める中、ヴォーカルの中野良恵が合羽のような妙な衣装を着けて登場。例の甲高い声で客を煽り、そして熱唱する。演奏自体もしっかりしていて、安心して観ていられるという頼もしささえ感じる。必殺の『くちばしにチェリー』こそなかった ものの、そうしたヒットシングルを必要としない、磐石のライヴをしてくれた。
(2005.8.19.)
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