Fuji Rock Festival'04 Day 2-Vol.3 Yeah Yeah Yeahs/The Charlatans/Primus







コートニー・ラヴのライヴを観るに耐えられなくなってレッドマーキーへ行き、ヤー・ヤー・ヤーズのライヴに臨む。こちらはヴォーカルにカレン・Oを擁していることから、なんだか新旧ロック女王合戦になっているような気がしてきた。そしてこのカレン嬢だが、予想と期待を大きく上回る活躍ぶりだった。


赤地にラメの入った、まるでアイドル歌手が着る水着のような衣装で走って登場し、ステージ上を右に左にと忙しく歩きながら歌う。このバンドはカレンのほかはギターにドラムという、つまりベースレスのトリオ編成なのだが、すかすかしていながら圧倒的な音圧があり、特によじれたようなギターのリフが耳に焼きつく。こうした音ではあるが、ライヴの場においてもっと圧倒的なのは、カレンのパフォーマンスに他ならない。ステージに寝っ転がってシャウトするわ、一段前に乗り出してオーディエンスを煽るわ、ジョンスペばりにマイクをくわえるわで、それであの露出の大きい衣装なものだから、観ている方としてはより刺激的なのだ。





さて、続いてはこの日のマーキーのトリになる、ザ・シャーラタンズ。90's半ばは低迷していたが(この時期の音楽を聴き直すのも結構面白いのだけど)、『Telling Stories』で復活後は安定した活動を続けている、今やベテランである。単独来日はコンスタントに重ねているが、今回フジにエントリーされたのは嬉しかったし、楽しみにしていたバンドだ。個人的にはその『Telling ~』期に一度ライヴを観ていて、それ以来になる。


オープニングがいきなり『Weirdo』だったから、またびっくりした。ハモンドオルガンのイントロが印象的で、バンドの顔のひとつと言っていい曲であり、これを出だしに持って来るところに、彼らの意気込みが感じられる。そして、あまり間を置かずに次々と連射される曲及び演奏に、場内のグルーヴ感は増す一方だ。いつのまにかデビュー15年。ローゼズ世代のバンドであり、その同世代のバンドが途中で朽ちて行く中、幾多の苦難を乗り越えて生き残ってこんにちに至っているというドラマが思い浮かぶが、それは観る側の感傷なのかもしれない。彼らには別に「終わり」もなければ「ピーク」もなく、ただ自分たちの音楽を鳴らし続けてきたのではないだろうか。


終盤は『One To Another』『How High?』といった代表曲で一気に攻め立てて、1時間余りのライヴを突っ走った彼ら。マーキーのトリを飾るに相応しいどころか、充分過ぎる内容だった。と言うよりも、もっと別の舞台でやらせてあげたかった。例えばホワイトのトリ、例えばグリーンのトリ前だ。そうすれば、より多くのファンのその良さが伝わり、語り継がれるライヴになったはずだ。





シャーラタンズ渾身のライヴを受け止め、少し休んだ後にホワイト方面に向かうべく、グリーンステージを横切った。がしかし、場内は凄まじい密集度になっていて、人が通路にまで溢れ、歩いて通るのもままならない。そしてステージでは、ちょうどケミカル・ブラザーズのライヴ中だった。


ケミカルは'99、'00、'02に続く、実に4度目の出演。ただでさえ、ダンス/テクノ系のアーティストというのは「飽きられる」というリスクを背負っていて、それがこんなにも出演しているものだから、さすがに「またケミカルう?」という感はどうしても漂ってしまう。かく言う私もそのひとりで、その時間他のステージで過ごすというのが私の対処だった。がしかし、なんだかんだ言いながらこれだけ集客してしまうのは凄いし、どうやらVJも今までと同じではなく、新たな映像がところどころに付加されているらしい。そして、これは後になって知ったのだが、終盤ではシャーラタンズのティムが飛び入りしたのだそうだ。そういや、ケミカルはシャーラタンズのリミックスを結構手がけている。





私の2日目はホワイトで始まり、ホワイトで締める。そしてその締めとなるアーティストは、突如活動再開したプライマスだ。初日のピクシーズが表の復活組なら、プライマスは裏の復活組ということになるかもしれない。


ステージ上には3つの球体が浮かび、それらに対し目や口、そしてさまざまな映像が映し出され、不思議な世界観が繰り広げられる。ほとんどの曲において、イントロはベースのリフで始まり、演奏そのものも変幻自在のベースが軸になっている。インストナンバーが大半だったが、しかし引き締まった緊張感漂う空気を作り出していて、好感が持てた。個人的には、ウッドストック'94でベースをブイブイ言わせていたのが脳裏に焼きついているのだが、その曲はラストで披露された。


(2005.2.1.)
















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