Fuji Rock Awakening Vol.2 Placebo







ぬかるんで足場の悪い道を歩きながら、グリーンステージに戻る。当然ホワイトステージ前を通るのだが、何やら威勢のいいバンドが演奏していて、結構にぎわっている。


立ち止まり、ステージ前方まで行ってみる。なんと日本人女のコによるスリーピースで、なのにインダストリアルメタル~デスメタルのようなラウドでヘヴィーなサウンドだ。このギャップ、どういうこっちゃ。そしてMC。音や演奏とはうって変わって、なんともフツーの女のコではないか。彼女たちもフジロックを楽しみにしていて、自分たちが出演する以外にも、他のバンドもいろいろ見たかったらしい。だけど、海外のフェスの出演が決まっていて、この後すぐ日本を発つのだそうだ。プログラムを取り出して見てみると、イエロー・マシンガンというバンドだった。








グリーンに戻った。雨のために最早どこに行っても同じような状態。結局PA右側にシートを敷き、傘をさして座る。やがてシートに雨がたまり、だんだんお尻がぬれてくる。立ちあがってシートにたまった雨水をはらい、また敷いて座る。こんなことをして雨をしのぎながら、ワタシの1日目のお目当てであるプラシーボの出番をじっと待った。


ほとんど予定時刻にステージに登場。bの兄ちゃんが異様なまでにバカでかい。そしてその隣に陣取るフロントマンのブライアン・モルコは白のスリーブレスのシャツ。予想通り、折れそうなくらいに華奢で細身だ。そしてその華奢な体からは到底想像できない激しいパフォーマンス。ソニック・ユースを彷彿とさせるノイジーなgは同時にスピーディーでもあり、そしてモルコのvoは線が細いながらもエモーショナルだ。なんで、どうしてもっと早く来日しなかったのか。セカンド『Without You I'm Nothing』からもう2年近くも経っているのに。そしてこの10月には新作が発表されるというのに。


いつのまにか雨が止み、ライヴも終盤に差し掛かって曲は『Pure Morning』に。そしてラストは予定通り?の『20th Century Boy』だ!映画「ベルベット・ゴールドマイン」にもバンドがまるごと出演し、この曲をほぼ完コピで披露。更には、99年のブリットアウォードで御大デヴィッド・ボウイとこの曲を共演。偉大なる先人へのリスペクトと自らの表現衝動が交錯する。プラシーボ、期待通りいやそれ以上の出来だった。今度単独で来日することがあったら、間違いなく観に行くだろう。








前作『XO』の評判がやたらいいのを耳にしていて、今回観ることができるのを密かに楽しみにしていたエリオット・スミス。再び雨が降り出してくる中、ステージに登場する。毛糸の帽子をかぶっているようだ。'98のエルヴィス・コステロ、'99のレイ・デイヴィスを彷彿とさせる、1曲1曲を丹念に歌うその姿勢に、情感がひしひしとこちらまで伝わってきた。結構野外映えするものだ。











(2000.8.11.)
















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