Countdown Japan 06/07 Summary カウントダウン・ジャパン06/07を総括する







開催4回目にして初めて東京と大阪の同時開催という形式を取った、カウントダウン・ジャパン。私は今回が初参加で、東京会場に足を運んだ。チケットは4日間のうち3日間が売り切れになり、これは年末年始に開催されるこのフェスティバルが世に認知され定着したことを意味している。ここでは私の独断と偏見により、良かった点と改善すべき点を列挙してみる。

1. 会場 幕張メッセ
2. 仕切り 主催者の手際はよかったのか
3. ショップエリア 食事やグッズ売り場はどうだったのか
4. コスト チケット代等について
5. ラインナップ 大物から新鋭まで、充実を見せる
6. トータル 全体としてどうだったか、そして来年に向けて












1. 会場 幕張メッセ

1番ホールから8番ホールまでをぶち抜きで確保し、コンコースも含めてほぼ独占状態に。チケットとリストバンドとの交換所は複数箇所に設置。またクロークの受付が8番ホール側で行われていて、これらは混乱することもなくスムーズに行われていた。


ステージは計5つ。最も大きなアースステージは1番2番ぶち抜きで設置され、約2万人収容。2番目に大きな1万人収容のギャラクシーステージは、7番ホールに設置。3000人規模のコスモステージは3番ホールの一部、4000人規模のムーンステージは6番ホールの一部、DJブースは4番ホールの一部に設置されていた。時折コスモステージの音がアースステージにまで漏れてくることはあったが、それ以外は特に問題は生じなかった。


今までエレクトラグライドやソニックマニアといった冬フェスには参加したことがあって、それらで感じていたのは屋内会場といえど結構寒いということだった。それが、なんとこのフェスは暖房完備!屋内では上着も不要、場合によってはTシャツでも問題なく、軽装で充分OKという快適さだった。3番ホールにはリクライニングエリアがあって、リクライニングチェアでくつろぐこともできた(ただし、コチラは開演前を除くとほぼ慢性的に満席で、椅子取りゲーム状態だったが)。









2. 仕切り 主催者の手際はよかったのか

結論から先に書くと、想像していた以上に素晴らしかった。細かいところにまで行き届いていたばかりか、臨機応変の対応ぶりも見事だった。ロッキンオンは普段は出版社としてフェスティバルを取材する立場にあるのだが、そこで知り得たいい点はそのまま流用し、問題があった点が修正した形で適用していて、それが快適な空間を生み出すことに成功していた。各プロモーターも、見習うべきではないだろうかと思ったくらいだ。


各ステージ入退場の導線は、混み具合に応じて通路の柵を適時微調整して誘導する形を取り、入場者と退場者が混在してしまって混み合うことはなかった。ギャラクシーステージでは、ライヴ終了後に側面のシャッターを開放し、出口専用として客をナビゲートしていた。コンコースから各ホール内への入退場もかなり自由度が高かった。中に入るためにはあのホールの入り口からじゃなきゃだめ、といったようなことがなく、利用者があちこちたらい回しにされたり、無駄足を踏まされたりすることはなかった。


8番ホールに、クロークが設置されていた。1000円で紙とビニール袋をもらい、袋の中に荷物を入れ、紙には名前と携帯TELを書くという段取りになっていた。預けるときに係の人に紙の裏のシールをはがして袋に貼ってもらい、受け取るときには名前と携帯TELを言うことで本人確認を行った。そしてこのクローク、出し入れが自由。何度も出し入れする人にとっては、1000円はリーズナブルだったかもしれない。


チケットとリストバンドを交換する際に、フェスティバルではお馴染みの首から提げるパスが配布された。アースステージでは、渋谷陽一が開始に先立ち「朝礼」として登場し、注意事項を呼びかけていた。セットチェンジの間にも必ずアナウンスが流れ、参加者の注意を喚起していた。









3. ショップエリア 食事やグッズ売り場はどうだったのか

グッズ売り場は場内と場外の2箇所に設置され、場外売り場については開場時刻よりもかなり前から販売を始め、購入者の分散に成功していた。私は場内の8番ホールしか利用しなかったが、オフィシャルグッズとアーティストグッズとが横並びに設置されていた。アーティストグッズは出演者に合わせるように日毎に入れ替えられ、各テントの上部にアーティスト名が表記されていた。


ショップや各ブースは、4番から6番ホールと、7番ホールの一部に設置されていた。ブースとしてはリスモやCDショップ、スカパー、タバコなどがあり、リスモでは抽選でタオルがもらえた(抽選とは言いながら、ほぼ全員が当選していたように見えたが)。ロッキンオン出版物のバックナンバーが読めるブースがあったり、過去のカウントダウン・ジャパンやロック・イン・ジャパンの旗が掲示されていて、それらには出演アーティストたちのサインが入っていた。


食事は、ラーメンやエスニック料理など、フェスではお馴染みの出店が並んでいたが、ロック・イン・ジャパンで出店している「みなと屋」が特に人気で、ハム串が美味だった。出店の総数はやや少なめで、食べる側にとっての選択肢の幅が狭いように感じないでもなかったが、その分椅子やテーブルが豊富に用意され、食事する場所に困ることはほとんどなかった。強いて欲を言わせてもらえれば、しょっぱいものが大半だったので、甘いモノももう少し売ってもらえるとありがたかった。








4. コスト チケット代等について

人気フェスティバルにつき、チケット販売は先行予約が断続的に行われる形が取られた(ダフ屋対策の意味もあると思う)。通し券は先行予約でしか入手することができず、一般発売で扱われた券種は1日券のみだった(金額は、31日のみ8,500円。他は8,000円)。あくまで個人的な感想だが、数多くのアーティストをいっぺんに観られて、それでローリング・ストーンズやマドンナの単独公演よりも安いというのには、かなりのお得感を感じている。出演しているのが全て日本のアーティストなので、これくらいのコストに抑えることができているのかもしれないけど。








5. ラインナップ 大物から新鋭まで、充実を見せる

それまでは、このフェスに対しては情報をチェックするだけという、傍観者的立場を取っていた私が、今回初めて参加を決意したのも、ラインナップが気に入ったからだ。30日は東京事変を目当てとし、31日はかなりの粒揃いだった。フジロックやサマーソニックに参加すると、どうしても洋楽アーティストの方を優先して観る形になってしまっていた。日本のアーティストについては、エントリーされていて気になってはいても、結局観られずじまいになってしまうことが多かった。


そうした意味でも今回は大きな収穫があって、何度か観ているアーティストはもちろん、久方ぶりに観るアーティストもいれば、今回初めて観ることができたアーティストもいて、更には全く予備知識がなかったにもかかわらずいいバンドに出会えたりもした。








6. トータル 全体としてどうだったか、そして来年に向けて

会場自体は決して真新しいわけでもないにもかかわらず、仕切りにおける手際の良さによって快適な時間と空間が生み出されていて、参加する身としては非常に有意義なフェスティバルだった。4日間開催のうち私は中2日の参加だったが、当日券を販売している1/1も急遽参加しようかとまで思ったくらいだ。


個人的には、イベントはおろか新年を自宅以外のところで迎えるのが生まれて初めての体験だった。それがこういう形で年末を過ごし、新しい年を迎えられたというのはとても素晴らしいと思った。よって、私の琴線に触れるラインナップが実現しさえすれば、今後もまたぜひ参加したいと思っている。

















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