Roxy Music Discography Original Album
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Sales Date:1972.3. | 1. Re-make/Re-model | 6. The Bob (Medley) |
Produce:Pete Sinfield | 2. Ladytron | 7. Chance Meeting |
3. If There Is Something | 8. Would You Believe? | |
4. Virginia Plain | 9. Sea Breezes | |
5. 2 H.B. | 10. Bitters End |
軋んだ音が連なって始まる『Re-Make Re-Model』で幕が開くロキシーワールド。各メンバーが織り成す演奏はコンビネーションや一体感といった表現からはほど遠く、てんでばらばらでとっちらかっている状態。だがこのまとまりのなさが逆に新鮮で、かつインパクトを持ち合わせている。女性モデルを起用したジャケットも秀逸。フェリーは美術教師を務めていたこともあって、そのアイディアやセンスはサウンドだけでなくジャケットにも活かされ、ロキシーを特異なバンドにして行くことのひとつの要因になる。 |
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Sales Date:1973.3. | 1. Do The Strand | 5. In Every Dream Home A Heartache |
Produce:Chris Thomas & John Anthony |
2. Beauty Queen | 6. The Bogus Man |
3. Strictly Confidential | 7. Grey Lagoons | |
4. Editions Of You | 8. For Your Pleasure |
『Editions Of You』や『For Your Pleasure』にはイーノの冴えが目立つ。全曲をフェリーが手がけてはいるが、この時点ではまだフェリーは音楽的にはバンドリーダーには成り得ていなかったようだ。グラハム・シンプソンが前作で脱退し、以後ロキシーはパーマネントなベーシストを設けずにツアーやレコーディング毎にメンバーを補充する形をとる。今回はジョン・ポーター。後年プロデューサーに転じ、スミスやフェリーのソロアルバムを手がけている。ジャケットは実は女装の男性。 |
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Sales Date:1973.11. | 1. Street Life | 5. Serenade |
Produce:Chris Thomas | 2. Just Like You | 6. A Song For Europe |
3. Amazona | 7. Mother Of Pearl | |
4. Psalm | 8. Sunset |
「ひとつのバンドにふたりのノン・ミュージシャンはいらない」というフェリーのことばで、前作を最後にイーノが脱退。代わりにエディ・ジョブスンが加入し、76年の活動停止までキーボード/バイオリンを操って活躍する。フェリーはロキシーと並行させて自身のソロ活動もスタートさせていたが、ロキシーの方もフェリーの美学を完成させるためのユニットと化し、今作以降サウンドは1作毎に洗練さを加速させる。80'sにはデュラン・デュランやスパンダー・バレエなどのバンドが登場し"ニューロマンティック"として位置付けられるが、ロキシーはそのルーツとも言われている。 |
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Sales Date:1974.11 | 1. The Thrill Of It All | 6. Bitter-Sweet |
Produce:John Punter & Roxy Music |
2. Three And Nine | 7. Triptych |
3. All I Want Is You | 8. Casanova | |
4. Out Of The Blue | 9. A Really Good Time | |
5. If It Takes All Night | 10. Prairie Rose |
発表当時は2人の女性のヌードジャケットが論議を呼び、国によっては差し替えられたほどの騒ぎとなった。が、それが結果的に功を奏して好セールスを記録。冒頭『Thirill Of It All』は、後に発売されるボックスセットのタイトルに抜擢されることで再評価される優れたナンバー。ロキシーはシングルとアルバムとの路線をきっちりと色分けしていたけど、アルバムにも『All I Want Is You』『Out Of The Blue』等ポップな曲は多く、これらはライヴでも欠かせないナンバーとなる。プロデュースのジョン・パンターは後にジャパンも手がけているが、ここでのロキシーの音はジャパンに酷似しているようにも思える。 |
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Sales Date:1975.10. | 1. Love Is The Drug | 6. Could It Happen To Me ? |
Produce:Chris Thomas | 2. End Of The Line | 7. Both Ends Burning |
3. Sentimental Fool | 8. Nightingale | |
4. Whirlwind | 9. Just Another High | |
5. She Sells |
ジャケットの女性はこの当時フェリーと恋仲にあり、後にミック・ジャガー夫人となる女優のジェリー・ホール(現在は離婚)。このころはフェリーだけでなくアンディ・マッケイやフィル・マンザネラもソロ活動を始めていて、それがバンドにも好影響を与えている。ここまで1作毎にサウンドは重厚さを増してきたが、いよいよそれがピークに達した感がある。シングルヒットもした冒頭『Love Is The Drug』は、フェリーのヴォーカルはもちろんのこと、マッケイやマンザネラのソロパートも冴え渡り、『Re-Make Re-Model』の進化形に思える。この後バンドは約3年に渡って活動を休止(当時は解散と発表されていたようだ)。 |
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Sales Date:1976.7. | 1. Out Of The Blue | 5. Both Ends Burning |
Produce:Chris Thomas | 2. Pyjamarama | 6. If There Is Something |
3. The Bogus Man | 7. In Every Dream Home A Heartache | |
4. Chance Meeting | 8. Do The Strand |
活動停止中に発表されたライヴアルバム。ロキシーがライヴバンドでもあったことを強くアピールできる1枚だ。単一の公演を収録したものではなく、ここまでの年代よりランダムに抽出。キング・クリムゾン解散後のジョン・ウェットンが74年のツアーからベーシストとして参加していて、ここではライヴ音源にオーバーダビングすることによって、演奏を引き締めるのにひと役買っている。ウェットンとエディ・ジョブスンはこの後ロキシーを離れ、UKとして活動。ウェットンはマンザネラとのコラボレートアルバムも発表している。 |
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Sales Date:1979.11. | 1. Manifesto | 6. Ain't That So |
Produce: Roxy Music |
2. Trash | 7. My Little Girl |
3. Angel Eyes | 8. Dance Away | |
4. Still Falls The Rain | 9. Cry, Cry, Cry | |
5. Stronger Through The Years | 10. Spin Me Round |
3年のブランクを経てロキシー活動再開。そのトリガーは、ソロ活動でセールス的に失敗し、メディアからも酷評されて行き詰まったフェリーが再びメンバーを召集したためだとも言われている。セルフプロデュースが関係しているのかいないのか、これまではシングルを中心に注ぎ込んでいたポップなテイストをアルバムにも注入してきたように思え、シングルとアルバムの戦略としての使い分けをやめたのかな、とも受け取れる。 |
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Sales Date:1980.6. | 1. Midnight Hour | 6. Over You |
Produce:Rhett Davies & Roxy Music |
2. Oh Yeah | 7. Man In The Corner Shop |
3. Same Old Scene | 8. Music For The Last Couple | |
4. Fleah And Blood | 9. Boy About Town | |
5. My Only Love | 10. Scrape Away |
ドラマーのポール・トンプソンが脱退し、後任にはアラン・シュワーツバーグが加入。他にもスタジオミュージシャンを多数招き入れ、スティーリー・ダンのような音楽完全主義志向的アプローチで制作。これまではソロアルバムに収録していたカヴァーも2曲あり、いよいよロキシーはフェリーの美学を完成させるためのユニットとして機能していく。どの曲も精度が高いが、逆に決定打となる曲やフレーズがないのが難点か。しかしここでの手法は、次作『Avalon』にて完全なる音の世界を構築するための足掛かりとなる。 |
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Sales Date:1982.5. | 1. More Than This | 6. The Main Thing |
Produce:Rhett Davies & Roxy Music |
2. The Space Between | 7. Take A Chance With Me |
3. Avalon | 8. To Turn You On | |
4. India | 9. True To Life | |
5. While My Heart Is Still Beating | 10. Tara |
多くの人がロキシーのベストに挙げるであろうアルバムで、のみならず82年を代表する1枚とまで言い切っていい名盤。『More Than This』で始まるあまりにも美しく洗練された音の世界とその完成度の高さは、初期の頃を考えればある意味最もロキシーらしくないとも言える(少し迷うが、私的ロキシーベストもやはり今作になる)。ジャケットで後ろ姿で王冠をかぶり手に鳥を乗せている女性は現フェリー夫人。このバンドでやれることはやり切ってしまったという充実感からか、ロキシーのバンド生命はここで途絶えることになる。 |
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Sales Date:1990.10. | 1. India | 8. Love Is The Drug |
Produce:Rhett Davies | 2. Can't Let Go | 9. Like A Hurricane |
3. While My Heart Is Still Beating | 10. My Only Love | |
4. Out Of The Blue | 11. Both Ends Burning | |
5. Dance Away | 12. Avalon | |
6. Impossible Guitar | 13. Editions Of You | |
7. A Song For Europe | 14. Jealous Guy |
バンド活動停止から7年経ち、突如発表されたライヴアルバム。『Avalon』のときのツアーのものと思われ、選曲は後期を中心としたベスト的なものだ。『Impossible Guitar』はマンザネラのソロによるインスト。ニール・ヤング『Like A Hurricane』のカヴァーは、女性コーラスやマッケイのサックスを駆使したゴージャスなアレンジで、原曲が持つ怒涛の激しさとは全く異なる出来になっているが、それでも聴く者には説得力を以って迫ってくる。これにてバンドの歴史は完全に封印されたのかと思われたが、それから11年後、フェリーは再びマッケイとマンザネラを召集し、ロキシーを再生させた。 |