The Battle Of Los Angeles

Sales Date:1999.11. Produce:Brendan O'brien
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1. Testify 7. Born As Ghosts
2. Guerrilla Radio 8. Maria
3. Calm Like A Bomb 9. Voice Of The Voiceless
4. Mic Check 10. New Millenium Homes
5. Sleep Now In The Fire 11. Ashes In The Fall
6. Born Of A Broken Man 12. War Within A Breath
13. No Shelter(Japan Only)















フジロックフェスティバル'97で、今や伝説とも言われる壮絶パフォーマンスをやってのけたレイジ。その2年後、今度はヘッドライナーとして、彼らは再び私たちの元に帰ってきてくれた。日も沈み、漆黒の闇に包まれた場内。しかしステージ上の彼らと、ステージ前に集まったオーディエンスは、熱く、激しく、そして光り輝いていた。今思い出しても、素晴らしい真夏の一夜だった。



ただし、ただひとつだけケチをつけるとすれば、このフジロック'99の前までには、サードアルバムは発表されているはずだった。それが延期に。このときのライヴではサード収録の2曲が披露されていたものの、ここへ来てついにクリエイティヴィティが枯渇し、行き詰まってしまったのではないか。これまで破竹の快進撃を続けて来たレイジなのに・・・。そんな不安が頭をよぎる。














しかし、ここに届けられたサードアルバム『The Battle Of Los Angels』は、そんな不安を吹き飛ばして余りある、まさに今現在のレイジのバンドとしてのあり方を示す素晴らしい作品だ。彼らが政治的なバンドであるのは今更繰り返すまでもないが、彼らがインタビューで発することば、彼らが参加するさまざまな活動、イベント。そのどれもが確固たる信念に基づくものだ。こうした活動を続けることで、バンドの結束、そしてバンドが織り成す"音"も、大木の太い幹のごとく一層強固さを増してくる。その成果がこのアルバムに集約されている。



一方で、今作は過去2枚のアルバムに比べかなりわかりやすくなったと思う。まずはあまりにも明解なアルバムタイトル。ザックはライヴのスタートの際、必ず「We are Rage Against The Machine from Los Angels,California!!」と訴えるが、そこから引用されたそうだ。自らの足場を高らかに叫ぶことで、彼らは今日も明日も闘争を続ける。ここまで直接的で力のこもった叫びに、私はレッド・ツェッペリンの『Presence』、『My Name Is Prince』が冒頭に収録されているプリンスの『(Love Symbols)』を連想する。



冒頭の2曲『Testify』『Guerrilla Radio』は、シングルとしてもヒットを狙えそうなポップな仕上がりだ。しかし、決してヒットチャートに迎合した結果ではないし、エネルギッシュでアグレッシブなリズムとビートとシャウトは、レイジ以外の何物でもない。むしろ、こうしたレイジらしさを保ちつつも、より一般に受け入れられやすいポピュラリティを獲得しつつあることに、私は大きな意義を見い出している。














アルバム発売に先立ちシングルカットされた『Guerrilla Radio』は、その後フジTV系で放送されるPRIDE GP 2000のテーマ曲になった。このPRIDE GPとは、K-1グランプリに続いてフジが全面的にバックアップを入れ始めた格闘技イベントである。K-1はキックボクシングや空手などの立ち技系格闘技の最強を決めるイベントであり、一方のPRIDEはプロレスラーや柔道家など、総合(組み技系)格闘技の最強を決めるイベントである。



総合格闘技では、ブラジルのグレイシー柔術を使う一族がこれまで隆盛を極めていて、その中でも記録に残るイベントで勝ち続け、グレイシー神話の根幹を担っているホイス・グレイシーがこのPRIDE GPに参戦している。フジTVの番組オープニングでは、各選手の殴る蹴るといったファイトが次々に映し出される中、ホイスとその父エリオの顔がうっすらと浮かんで来る。ファイターたちの激しい躍動と、不意に訪れる静寂。そのバックに流れているのが『Guerrilla Radio』なのだ。














ファーストは4年半遅れで、『Evil Empire』は1年遅れで初めて聴いた私。しかし、『The Battle Of Los Angeles』はリアルで享受することができた。彼らの怒り、彼らの叫び、彼らの視点、彼らの勢いを、私は五感と肌身を通して痛感するのだ。そして、私は幕張の異空間に向かうのである。
















































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