Prince Discography Album 70's ~ 80's
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Sales Date:1978.10. | 1. For You | 6. Baby |
Produce:Prince | 2. In Love | 7. My Love Is Forever |
3. Soft And Wet | 8. So Blue | |
4. Crazy You | 9. I'm Yours | |
5. Just As Long As We're Together |
デビュー時から、なんぴとにも支配されることをかたくなに拒否したプリンス。無名の黒人アーティストのわがままを受け入れたのは、ワーナーだった。作詞作曲はもちろん、演奏そしてプロデュースまで自分で手がけたデビュー作。ほとんどの曲をファルセット(=ウラ声)で歌い切ってしまい、ラストの『I'm Yours』ではハードにギターをかきならす。完成ではないが、ここでプリンスがやろうとしたことは、黒人アーティスト"らしい"というレッテルを貼られることへの反発だと思う。日本では、『Purple Rain』が大ヒットした後に慌ててリリースされた。 |
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Sales Date:1979.10. | 1. I Wanna Be Your Lover | 6. Bambi |
Produce:Prince | 2. Why You Wanna Treat Me So Bad? | 7. Still Waiting |
3. Sexy Dancer | 8. I Feel For You | |
4. When Were Dancing Close And Slow | 9. It's Gonna Be Lovely | |
5. With You |
前作以上にファルセットが冴え渡り、作品としての充実度を高めている(ファルセットの多用は、男女の別を越えた音楽を作ることを目指しているようにも思える)。『I Wanna Be Your Lover』は、シンプルにして奥が深く、そしてキャリア中最初のヒット曲。『I Feel For You』は、後にチャカ・カーンがカヴァーしヒットさせている。『Bambi』は、ギターをかきならしまくったロックナンバー。ラストの『It's Gonna Be Lovely』はコンパクトな出来ながら、以降プリンスの必殺技のひとつとなる、スーパーバラードの原型を成す。 |
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Sales Date:1980.10. | 1. Dirty Mind | 5. Uptown |
Produce:Prince | 2. When You Were Mine | 6. Head |
3. Do It All Night | 7. Sister | |
4. Gotta Broken Heart Again | 8. Partyup |
プリンスという人は一見奔放で豪快な人のように見えるが、実は繊細で傷つきやすい人なのだと思う。その根底にあるのは他者との限りないコミュニケーション願望であり、それゆえプリンスはメディアというフィルターを信用しない。今作は過激な性的描写ばかりが取り沙汰されているが、それは表面的なことであり、かつ計算づくのように思えてならない。メディアには好きなように騒がせておき、良くも悪くも聴いた人の記憶に留まればしめたもの。個人的には、プリンス初のコンセプトアルバムだと思っている。 |
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Sales Date:1981.11. | 1. Controversy | 5. Ronnie, Talk To Russia |
Produce:Prince | 2. Sexuality | 6. Let's Work |
3. Do Me, Baby | 7. Annie Christian | |
4. Private Joy | 8. Jack U Off |
サウンドは前作の路線を引き継いでいるが、スーパーバラード『Do Me Baby』のためだけでも、入手する価値のある1枚。この時期、ファンキーな黒人アーティストとしてリック・ジェームスと比較されることが多かったが、早くからプリンスに注目していたミック・ジャガーのたっての願いで、ローリング・ストーンズのオープニングアクトに抜擢。しかしストーンズが目当てのファンにはまるで受け入れられず、罵声を浴びせられて20分でステージを去るという、苦い経験をしている。 |
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Sales Date: 1982.10. |
1. 1999 | 7. Something In The Water (Does Not Compute) |
2. Little Red Corvette | ||
Produce:Prince | 3. Delirious | 8. Free |
4. Let's Pretend We're Married | 9. Lady Cab Driver | |
5. D.M.S.R. | 10. All The Critics Love U In New York | |
6. Automatic | 11. International Lover |
発表時はLP2枚組の大作で、ロングセラーを記録。ポップにして普遍性が漂う『Little Red Corvette』、シンプルなバラード『Free』、そして代表曲のひとつとなったタイトル曲など力作揃い。これまではほとんどの曲をファルセットオンリーで歌っていたが、今作以降は地声とファルセットを使い分けて歌うようになる。名義こそプリンス個人になっているが、バックバンドにはレヴォリューションの面々が揃い、次作での大ブレイクを充分に予感させる。 |
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Sales Date:1984.8. | 1. Let's Go Crazy | 6. When Doves Cry |
Produce:Prince & The Revolution |
2. Take Me With U | 7. I Would Die 4 U |
3. The Beautiful Ones | 8. Baby I'm A Star | |
4. Computer Blue | 9. Purple Rain | |
5. Darling Nikki |
同名の半自伝的映画(といっても、そのストーリーは戦略として作られたものだが)とシンクロする、商業的に最も成功した作品。ロック色が強まり、ファルセットは抑え目に。『When Doves Cry』は5週連続全米1位となり、84年の年間シングルチャートでも1位を記録。8分以上の大作バラードであるタイトル曲は、以降数年間ライヴのラストとして演奏された。世界的大ブレイクを果たしたプリンスは、マイケル・ジャクソンと比較されたり、ジミ・ヘンドリックスの再来と騒がれるようになる。映画では紫のスーツをまとい、紫のバイクを駆る。プリンスのイメージカラーは、紫になった。 |
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Sales Date:1985.4. | 1. Around The World In A Day | 6. America |
Produce:Prince & The Revolution |
2. Paisley Park | 7. Pop Life |
3. Condition Of The Heart | 8. The Ladder | |
4. Raspberry Beret | 9. Temptation | |
5. Tamborine |
制作は前作と同時期に済ませており、発売のタイミングを伺っていたという余裕ぶり。2曲目の曲名を引用し、ワーナー内にペイズリーパークレーベルを設立してリリース。しかし、アルバムのトータル性と個々の曲の質の高さの両方を狙ったためか、前作を下回るセールスしか記録できず(むしろ前作の勢いがあったがためにそこそこ売れたと見るべき)、評価は分かれた。「誰もが階段を探している、誰もが魂の救済を求めている」と歌われる『The Ladder』は、イノベーターとしての戦いを始めた、プリンス自身の決意表明にも受け取れる。 |
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Sales Date:1986.5. | 1. Christopher Tracy's Parade | 7. Venus De Milo |
Produce:Prince & The Revolution |
2. New Position | 8. Mountians |
3. I Wonder U | 9. Do U Lie? | |
4. Under The Cherry Moon | 10. Kiss | |
5. Girls & Boys | 11. Anotherloverholenyohead | |
6. Life Can Be So Nice | 12. Sometimes It Snows In April |
映画『Under The Cherry Moon』(興行的には惨敗。チープなストーリーで、よほどのマニア以外にはお薦めできない)とシンクロする作品。冒頭から『Life Can Be So Nice』までの、ほとんどメドレー形式といっていい怒涛の攻撃に唸らされ、その勢いが美しいインスト『Venus De Milo』で一気に覚まされる。シングルヒットした『Kiss』や、『Purple Rain』とは対極にあるシンプルなバラードのラストなど、全アルバム中密度の濃さと完成度の高さでは1、2を争う出来だ。この年9月、プリンスはついに来日を果たす。日本はツアー最終公演地となり、この後レヴォリューションは解散。 |