Neil Young Discography 60's - 80's
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Sales Date:1969.1. | 1. The Emperor Of Wyoming | 7. Here We Are In The Years |
Produce:David Briggs | 2. The Loner | 8. What Did You Do To My Life? |
3. If I Could Have Her Tonight | 9. I've Loved Her So Long | |
4. I've Been Waiting For You | 10. The Last Trip To Tulsa | |
5. The Old Laughing Lady | ||
6. String Quartet From Whiskey Boot Hill |
バッファロー・スプリングフィールドでの人間関係の軋轢に嫌気が差し、バンド解散後にすかさずソロデビュー。アルバムはのっけからインストで、以後はカントリーを基調にした素朴な曲が続く。しかし初期の重要曲でもある『The Loner』の歪んだギターなど、後の『Weld』にて炸裂するヘヴィーでノイジーな轟音路線の片鱗がうかがえる。ニールが90'sに"グランジのゴッドファーザー"と称されたその原点が、ここにはあるのだと思っている。 |
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Sales Date:1969.7. | 1. Cinnamon Girl | 5. The Losing End (When You're On) |
Produce:David Briggs | 2. Everybody Knows This Is Nowhere |
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6. Running Dry (Requiem For The Rockets) |
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3. Round & Round (It Won't Be Long) |
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4. Down By The River | 7. Cowgirl In The Sand |
阿吽の呼吸か、はたまた血を分けた兄弟のような結びつきか。ディランにはザ・バンドが、スプリングスティーンにはEストリート・バンドが、コステロにはアトラクションズがいたように、ニール・ヤングにはクレイジー・ホースがいた。バッファロー時代に人間関係で苦い思いをしたニールはソロを志すのだが、そのニールの信念をあっさり変えさせたのがクレイジーホースの面々。そしてサウンドも、カントリーロックが基調ながら、意外やラウドでヘヴィー。こうした感覚を持ち得ていることも、この後若いバンドに支持されていくことの要因になっているのだと思う。『Cinnamon Girl』『Cowgirl In The Sand』は、ニール代表曲のひとつ。 |
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Sales Date:1970.8. | 1. Tell Me Why | |
Produce: David Briggs |
2. After The Gold Rush | 8. Birds |
3. Only Love Can Break Your Heart | 9. When You Dance You Can Really Love |
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4. Southern Man | ||
5. Till The Morning Comes | 10. I Believe In You | |
6. Oh, Lonesome Me | 11. Cripple Creek Ferry |
タイトル曲や『Southern Man』といった重要曲を収録し、ニールの代表作として名高い1枚。特にミュージシャンからの評価が高いのだそうだ。シンプルでいながら奥の深いサウンドと詞の世界は、当時隆盛を極めつつあったシンガーソングライターブームにもひと役買っている。だが、一見容易で誰にでもできそうな世界観の表現が実はニールでなくてはできないという、ニールのアーティストとしてのスタンスをあからさまにしたのがこのアルバムなのだ。あの妙に甲高くて印象的なニールの「声」が、最も映えている作品でもあると思う。 |
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Sales Date: 1972.2. |
1. Out On The Weekend | 6. Old Man |
2. Harvest | 7. There's A World | |
Produce: Henry Lewy |
3. A Man Needs A Maid | 8. Alabama |
4. Heart Of Gold | 9. The Needle & The Damage Done | |
5. Are You Ready For The Country |
10. Words (Between The Lines Of Age) |
全米No.1ヒットの『Heart Of Gold/孤独の旅路』を含む、キャリア中最も商業的に成功した作品。『After The Gold Rush』の進化形の様相を呈し、明るくポップで親しみやすい曲が多い(個人的には『After ~』よりも今作の方が好み)。しかし作品にせよ本人そのものにせよ、浮き沈みが激しく、そしてそれを隠さずさらけ出すことが魅力になっているせいもあってなのか、成功した作品という位置付けだけに片付けられてしまうことが多い。成功することで得られた富や名声は表現行為の足枷となったようで、ニールにとって必ずしも居心地のいいものではなかったようだ。 |
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Sales Date: 1975.6. |
1. Tonight's The Night | 7. Roll Another Number (For The Road) |
2. Speakin' Out | ||
Produce: David Briggs & Neil Young |
3. World On A String | 8. Albuquerque |
4. Borrowed Tune | 9. New Mama | |
5. Come On Baby Let's Go Downtown |
10. Lookout Joe | |
11. Tired Eyes | ||
6. Mellow My Mind | 12. Tonight's The Night - Part II |
元クレイジーホースのダニー・ウィットン。CSN&Yのローディーだったブルース・ベリー。2人は共にドラッグのオーバードーズで命を落とし、ニールは「ロックンロールに生き、ロックンロールに死んだ」ということばを添えてこのアルバムを作った。モノクロのジャケットに、暗く重たいサウンドに、冷たいピアノの音色に、2人に対する鎮魂の思いとやるせなさが込められる。そしてニールの魅力のひとつである透き通った声も、ここにはない。あるのは死んでいった者に対する無念の思いと、悲しみを背負って生き続けなければならない辛さなのか。内容が暗過ぎるとのことでいったんはお蔵入りになるが、ニ転三転した末に発売。 |
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Sales Date:1979.7. | 1. My My, Hey Hey (Out Of The Blue) | |
Produce:David Briggs & Neil Young |
2. Thrasher | 6. Powderfinger |
3. Ride My Llama | 7. Welfare Mothers | |
4. Pocahontas | 8. Sedan Delivery | |
5. Sail Away | 9. Hey Hey, My My (Into The Black) |
旧来のロックをバッサリと斬って落としたパンク。このアルバムは、そうしたパンクの姿勢を真っ向から受け止め、誠実に答えた作品の最たるものだと思う。『My My , Hey Hey』から始まるA面サイドはアコースティック、B面サイドはエレクトリックで、ラストの『Hey Hey , My My』へと続く。「Rock'n Roll will never die」と高らかに歌うニールの姿に、「ロックは死んだ」と言い放ったジョニー・ロットンの生きざまに共鳴しつつも、それを包み込みなおかつ突き進まんとする懐の深さとたくましさを感じずにはいられない。私にとってのニールのベストアルバムだ。しかし「錆びつくよりも燃え尽きた方がまし」という一節が15年後の悲劇にて引用されるとは、当時は思いもよらなかったはずだ。 |
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Sales Date:1979.11. | 1. Sugar Mountain | 9. Lotta Love |
Produce: David Briggs |
2. I Am A Child | 10. Sedan Delivery |
3. Comes A Time | 11. Powderfinger | |
4. After The Gold Rush | 12. Cortez The Killer | |
5. My My, Hey Hey (Out Of The Blue) |
13. Cinnamon Girl | |
14. Like A Hurricane | ||
6. When You Dance I Can Really Love | 15. Hey Hey, My My (Into The Black) |
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7. The Loner | ||
8. The Needle And The Damage Done | 16. Tonight's The Night |
『Rust Never Sleeps』に伴うツアーを収録したライヴアルバムで、ニール自身が監督を務めた同名映画のサントラでもある。肥大化した産業ロックを否定したのがパンクだが、そうした中でもパンクロッカーにリスペクトされていた先人はいた。フーでありキンクスであり、ルー・リードでありイギー・ポップであり、そして我らがニール・ヤングだ。特にニールは若いミュージシャンの動きに敏感であり、交流にも積極的だ。バッファロー・スプリングフィールド時代の『Suger Mountain』『I Am A Child』から始まる選曲は、この時点でベストと言えよう。 |
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Sales Date:1982.12. | 1. Little Thing Called Love | 6. Hold On To Your Love |
Produce:David Briggs, Tim Mulligan,Neil Young |
2. Computer Age | 7. Sample And Hold |
3. We R In Control | 8. Mr. Soul | |
4. Transformer Man | 9. Like An Inca | |
5. Computer Cowboy (Aka Syscrusher) |
「次の行動が予測できないアーティスト」とはニールを指してよく言われる表現だが、今作のようなアルバムを生み出すのもその一因なのだろう。デジタル時代に突入した80'sの音を吸収したと思われる作風だが、正直ニール・ヤングの作品として繰り返して聴くにはかなり厳しく、マニア以外の方にはお薦めできない。実は愛息に障害があり、ニールがコミュニケートするための手段として作った私的な作品であったことが後に明らかになる。しかし、だ。テクノ調アレンジの『Mr. Soul』などは、90's以降ひとつの隆盛を極めたサンプリングやデジタルリミックスのルーツに位置するのではないだろうか。 |
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Sales Date:1989.10. | 1. Rockin' In The Free World | 7. Someday |
Produce:Niko Bolas & Neil Young |
2. Crime In The City (Sixty To Zero, Pt. I) |
8. On Broadway |
9. Wrecking Ball | ||
3. Don't Cry | 10. No More | |
4. Hangin' On A Limb | 11. Too Far Gone | |
5. Eldorado | 12. Rockin' In The Free World (Live Acoustic Version) |
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6. Ways Of Love |
兎にも角にも『Rockin' In The Free World』に尽きる。2種類のバージョンで冒頭及びラストに配置するというスタイルは、『Rust Never Sleeps』を思い起こさせる。90's以降のニールの生きざまがオーバーラップする、現在の出発点的な曲であり、キャリアを通じて代表作のひとつに数えることのできると思う。アルバムはアコースティックとエレクトリックがランダムに配置されていて統一性に欠けるが、そうした不満をかき消すだけのエネルギーが伝わってくる。この年13年ぶりに来日公演を敢行。そしてそのスタートとラストは、当時はまだ未発表だった『Rockin' In The Free World』だったそうだ。 |