The Song Remains The Same 永遠の詩
Album | Disc 1 | Disc 2 |
Sales Date:1976.10. | 1. Rock'n Roll | 1. No Quater |
Produce:Jimmy Page | 2. Celebration Day | 2. Stairway To Heaven |
3. The Song Remains The Same | 3. Moby Dick | |
4. Rain Song | 4. Whole Lotta Love | |
5. Dazed And Confused |
Movie | 1. Rock'n Roll | 7. Dazed And Confused |
Date:1976.10. | 2. Black Dog | 8. Stairway To Heaven |
Produce:Peter Grant | 3. Since I've Been Loving You | 9. Moby Dick |
4. No Quater | 10. Heartbreaker | |
5. The Song Remains The Same | 11. Whole Lotta Love | |
6. Rain Song |
バンドのドキュメンタリー映画を制作する構想は以前からあった。撮影は各地で行われ、日本公演も撮影されたそうだ。結局そのどれもがボツになり、73年7月にマジソン・スクエア・ガーデンで行われた3日間のライヴパフォーマンスが採用されることとなった。
しかし、この映画は完成が遅れた(遅れた理由というのが今もってよくわからない)。結局映画が公開されたのは撮影されたMSG公演から3年も後の76年10月。『Presence』が発売されたその数ヶ月後に当たる。そして映画にシンクロして、同名のサウンドトラックとしてライヴアルバムもリリースされた(以下映画の内容を中心に話を進めます)。
映画はライヴパフォーマンスが軸になってはいるが、楽曲から醸し出されるイメージをメンバーが演じる場面も数多く挿入されている。マネージャーのピーター・グラントとリチャード・コールがギャングに扮し、酒場で銃撃戦をおっ始めるところから映画はスタート。劇中でも、ジミー・ペイジがタロットカードの隠者に扮し、ジョン・ボーナムはストックカーに興じ、ロバート・プラントは騎士に、ジョン・ポール・ジョーンズは秘密の運び屋になって、それがライヴ中の曲のイメージにオーバーラップさせる演出が取られていた。他にも、楽屋でのメンバーの談笑やグッズの無許可販売をめぐる会場側とのトラブル、ホテルに預けていたお金が盗まれたことなどが曲の合間合間に挿入され、ドキュメンタリーの様相を色濃くしている。
撮影が73年で、『Houses Of The Holy』発表後のツアーということもあり、5枚のアルバムからほぼ満遍なく選曲されている。映画とアルバムとでは、収録曲が微妙に異なっている。映画のみ、あるいはアルバムにのみ収録されている曲も見受けられる状態だ。もともと収録日自体が3日間に渡っており、それらの中からチョイスして作り上げられたのでつぎはぎの感は否めない。特に収録曲が異なっているライヴ序盤など、実際に見たり聴いたりしてみると、『Rock'n Roll』~『Celebration Day』へと繋がれるアルバムの方が本来の流れのように受け取れる。
更に細かいところまでチェックすれば、映画ではイントロに『Bron-Yr-Aur』が使われ(これは『Phicical Grafiti』収録で、この部分だけが76年までズレだことの明確な意味付けになっているのか)、『Black Dog』の前には『Bring It On Home』のリフが披露される。『Whole Lotta Love』ではジェームズ・ブラウンの『Sex Machine』がチラリ、そしてステージを終えてメンバーがリムジンに乗り込んで会場を後にする場面で『Stairway To Heaven』がかかり、映像が終わって真っ黒な画面になっても曲は続くようになっている。
映画公開が3年も遅れ時期はずれになってしまったこと。そして演奏の出来自体があまりよくないことから、この作品は映像もアルバムもあまり評判がよくない。ディープ・パープルの『Live In Japan』とことごとく比べられては、酷評されることが多い。オフィシャルで発表されたライヴがこれだけというのも考えものかもしれない。
しかし、私は素直にこの作品を楽しんでいる。レッド・ツェッペリンのライヴをリアルタイムで体感できなかった悲しさと悔しさを埋めるため、そしてライヴを追体験するためのアイテムとして、だ。更にこの作品は、80's以降の多くのロックバンドの教本的存在にもなった。最近は、新しい映像媒体としてのDVDソフトとしていち早くリリースもされている。