Led Zeppelin レッド・ツェッペリンΙ
Sales Date:1969.2. | 1. Good Times Bad Times | 5. Your Time Is Gonna Come |
Produce:Jimmy Page | 2. Babe I'm Gonna Leave You | 6. Black Mountain Side |
3. You Shook Me | 7. Communication Breakdown | |
4. Dazed And Confused | 8. I Can't Quit You Baby | |
9. How Many More Times |
『Good Times Bad Times』の衝撃のイントロに、貴方は震えてはいないか。
地の底から唸るようなジョン・ボーナムのドラムに、貴女はゾクゾクしてはいないか。
ジミー・ペイジのせり出すようなリフに、新たな時代の幕開けを感じてはいないか。
ロバート・プラントの野生児のような歌声に、新たなロックの鼓動を感じてはいないか。
このファーストアルバムの中にこそ、レッド・ツェッペリンの全ての要素が凝縮されている、と私は信じている。つまり、ツェッペリンサウンドは最初からある一定の領域にまで達していたということだ。
ヤードバーズに4代目ギタリストとして加入したジミー・ペイジだが、他のメンバーは既にこれまでの活動に疲れ、以後バンドを続ける必然性を見出しにくくなっていた。マネージャーに就任したピーター・グラントとペイジによって、ヤードバーズ末期は後にツェッペリンで開花させるためのサウンドの実験の場となった。ジョン・ポール・ジョーンズがアレンジャーとして参加もしているアルバム『Little Games』に収録された『White Summer』は、シタールとアコースティックギターを駆使した実験色の濃いナンバーで、『The Train Kept -A Rollin'』と並んで初期ツェッペリンのレパートリーにもなっている。
ロバートプラントのヴォーカルは、白人でありながらまるで黒人のようなダイナミズムを備えていた。ジョン・ボーナムのドラミングは、それこそドラムマシーンが弾けて飛び散りそうになるくらいに強烈だった。ジョン・ポール・ジョーンズのベースラインは、地味ながらしっかりと軸を成していた。こうした何者にも替え難いパートナーを得たジミー・ペイジのギターリフは、1度聴いたら忘れられず、何度も口ずさんでしまう永遠のフレーズとなった。4人それぞれが自分の果たすべき役割をその何倍以上にまで発揮し、更にその4つの個性が融合して、他の何者をも寄せつけない、唯一無二のツェッペリンサウンドを生み出したのだ。
ジミー・ペイジはツェッペリンのファーストアルバムを制作するに当たり、サウンドの方向性をアコースティック主体にするか、エレクトリック主体にするか考えあぐねていて、ジェフ・ベック・グループのファーストを聴いてエレクトリックのハード路線にすることを決めたという。『You Shook Me』は『Truth』にも収録されていて競作の趣を成し、どちらも甲乙つけがたい出来になった。
ジミー・ペイジのギタリストとしての力量は、"三大ギタリスト"と称されるエリック・クラプトンやジェフ・ベックよりは少し劣るとされている。だがしかし、それはツェッペリンが栄光の軌跡を刻むには(結果的にとはいえ)むしろ好都合だったのではないか。ブルースにコンプレックスを抱き続け、周囲との人間関係に押し潰されそうになってドラッグに埋もれたエリック・クラプトンや、イニシアチブを争うあまりにそのバンド生命がどれも短命に終わってしまうジェフ・ベックに比べれば、だ。
時代を超えて語り継がれるべき音が、ここにはある。
熱く、激しく、疾走し切った偉大なバンドの第1歩がここにはある。
このアルバムに出会えたことを、私は幸福に思っている。