Don Henley Discography　Original Album

　イーグルスという大きな荷物を降ろした解放感が漂う、ソロ1作目。何しろゲストが豪華で、元同僚のジョー･ウォルシュにティモシー･B･シュミット、TOTOのジェフ＆スティーヴ･ポーカロにスティーヴ･ルカサー、J･D･サウザー、ウォーレン･シヴォンといった面々が名を連ねている。80'sチックな電子音ベースの曲が多い中、イーグルスの精神を継承するかのような『Long Way Home』『Talking To The Moon』というバラードも。『Dirty Laundry』がシングルで大ヒットした。

　全ソロ作品中、イーグルス色が最も濃いアルバム。今回のゲストはトム･ペティ＆ハートブレイカーズからマイク･キャンベルとベンモント･テンチとスタン･リンチ、ランディ･ニューマン、モーテルズのマーサ･デイヴィス、ゴーゴーズのベリンダ･カーライルなど。タイトル曲及び『Land Of The Living』でデュエットしているのは、パティ･スマイスだ。多くの曲がシングルヒットを記録し、ソロ代表作の感が強い。冒頭の『The Boys Of Summer』は、PVも高い評価を得た。

　イーグルスその後を感じさせる、洗練されたアダルト･オリエンテッドな作品で、『The End Of The Innocence』『New York Minute』『Heart Of The Matter』といった珠玉のバラードを生んだ。ゲストの幅は益々広がり、『I Will Not Go Quietly』にはガンズ･ン･ローゼズのアクセル･ローズが、『Gimme What You Got』にはメリッサ･エスリッジが、『If Dirt Were Dollars』にはシェリル･クロウが、それぞれバックヴォーカルで参加している。翌年のグラミー賞では、ベスト･ロック･ヴォーカル賞を受賞。

　いくら寡作の人であり、合間にイーグルス再結成やベスト盤リリースがあったとはいえ、実に11年ぶりとなったソロ作品。冒頭『Nobody Else In The World But You』には、グレン･フライにドン･フェルダーといった同僚勢のほか、大御所スティーヴィー･ワンダーも参加。音はいよいよアダルト･オリエンテッド色が濃くなっており、歌われているのは私的な内容が多い。『For My Wedding』はもろ自身の結婚がテーマだし、『Taking You Home』は家族のことを歌った曲。『Annabel』という曲名は、95年に生まれた愛娘の名前だそうだ。