大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-
coccoが2007年から2008年にかけて行った「きらきら」ツアーに密着した、ドキュメンタリー映画のDVDを観た。監督は、『誰も知らない』『海街diary』などの是枝裕和。
名古屋、広島、青森、東京など、各地でのステージパフォーマンスはもとより、バスでの移動や打ち上げの様子なども捉えている。移動時のCoccoは、たぶんノーメイクだと思う。新宿での、『想い事。』発売記念のアコースティックライヴの模様も確認できる。
ファンからもらった手紙をきっかけに青森の六ヶ所村を訪れ、厳しい状況にあるのは沖縄だけではないと知り、そのことをステージMCでも切々と語るCocco。阪神淡路大震災のモニュメントや原爆ドームなども訪れ、当然だが彼女の軸はぶれていない。
各地の転戦の合間に入ってくるのが、沖縄での様子だ。彼女の祖父が、沖縄芝居の伝説的役者であったことが明らかになる。友人知人に混じって踊りを踊ったり笑ったり、と、素に近い彼女を確認できる。沖縄では、本来の公演のほか、学生時代に歌っていたライヴハウスでもステージに立つなど、スペシャル感がハンパない。
かつては、映像作品を出すことに激しい拒否反応を起こしていた彼女だった。それが、ステージだけでなくリラックスした顔をさらけ出し、自分の身内までオープンにするとは、年を重ね人と触れ合うことで、心境が変わっているのかなと思ってしまう。
ラストは、海辺でファンレターを燃やし、ひと区切りつけるさまを捉えるのだが、その後拒食症治療のた入院というナレーション字幕が入る。ハッピーエンドじゃないのか、彼女はどうしてこうも過酷な状況を背負わされるのだろうかと、なんとも言えない気にさせられてしまう。
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