*

CROSSBEAT Special Edition プリンス

公開日: : 最終更新日:2023/02/12 書籍

CROSSBEAT Special Edition プリンス

クロスビートのムック本を読んだ。宣伝文句によると、徹底してアルバムに拘ったとのことで、CDリリースはもちろんのこと、公式サイトから配信オンリーでリリースされたアルバムも解説。プリンス・ファミリーをはじめ、曲提供やプロデュースをしたアーティストもフォロー。トリビュートアルバムも紹介している。

後半は、インタビューが中心だ。日米の、プリンスと実際に仕事をした人のコメントが中心になっている。リアルタイムでクロスビートで読んだ記事が多かったが、読んだことのない記事では、92年の来日時にレコーディングしたときのエピソードが興味深かった。

そんな中、プリンス本人のインタビューも収録。96年と99年は、プリンス自身比較的インタビューに答えていた時期なのでまだわかるが、『Dirty Mind』期の81年のインタビューには驚いた。当然話題は歌詞や奇抜な衣装に及ぶが、プリンスはさらりと受け流す。一方で、レコーディングについては熱く語っている。

映像作品については、主演映画3本のみにとどまっている。これは不満。DVD作品はいくつかあるし、VHSオンリーながら貴重なアイテムもあったはずなのに。ワタシが買って読んだクロスビートのムック本は、映像作品に対して手薄すぎる。

プリンスの死以降、ピックアップされるのは80年代ばかりで、それが不満だった。確かにセールス的に最も成功したのは80年代になるのだが、90年代も2000年代も、この人の創作意欲は衰えてはいなかったし、質の高い音楽を発信していたはずだ。ただその一方、権利関係の絡みなのか、現在廃盤で入手困難になっている作品も結構ある。改名したり戻したりというのもあったしね。

個人的には、CDリリースされたアルバムは全て持っているが、配信限定は持っていない。プリンスの死を機に、と言ってはよろしくないのかもしれないが、追悼記念でこれらが何かの形で再リリースされるのではという、淡い期待を持っている。『Crystal Ball』を、ネット通販限定で付与される『Kamasutra』付きで持っているのは、ちょっと自慢だ。

関連記事

西寺郷太『プリンス論』

ノーナ・リーヴスのシンガー、西寺郷太。この人が、出版社に依頼されて執筆したという『プリンス論

記事を読む

プリンス『サイン・オブ・ザ・タイムズのすべて』

1987年にリリースされた、プリンスのアルバム『Sign 'O' The Times』。20

記事を読む

『プリンスと日本 4EVER IN MY LIFE』を読んだ

プリンスに関する書籍はそこそこあるが、日本とのつながりに焦点を絞った書を読んだ。個人的に追体

記事を読む

レコード・コレクターズ プリンス『Sign ‘O’ The Times』特集

レコードコレクターズの2020年10月号は、同年9月にリリースされたプリンス『Sign 'O

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑