プリンス(Prince)『サイン・オブ・ザ・タイムズ』(HDニューリマスター版)のパンフレットについて(2014年2月)
HDニューリマスター版の『サイン・オブ・ザ・タイムズ(Sign ‘O' The Times)』を劇場に観に行った際、久々にパンフレットを買った。ここ数年、劇場で映画を観てもパンフレットを求めることはなかった。なぜなら、その内容はウェブサイトに掲載されている内容と大差ないと思っているからだ。
2000円と、パンフにしては少し値が張っているが、ファンなら買って絶対に損のない内容だ。映画そのものの解説は当然として、87年の活動詳細、イラストを交えた女性遍歴、ブートレッグベスト30、アーティストや著名人たちによるコメント、などが掲載されている。コメントを寄せているのは、向井秀徳や及川光博、西寺郷太、ソラミミストの安齋肇などだ。
中でも注目は、『ジョジョの奇妙な冒険』作者の荒木飛呂彦のインタビューだ。『ジョジョ』のキャラクターや「スタンド」の名前には、アーティスト名やアルバム名、曲名が名付けられていることが多いが、プリンスからは「ゴールド・エクスペリエンス」「ソフト・アンド・ウェット」の2つが、しかも主人公に使われていて、インタビューもこのことを切り口にスタートしている。
荒木が洋楽ファン、プリンスファンなのは、洋楽を聴く人が『ジョジョ』を読めばすぐわかることだ。がしかし、2012年に連載25周年を迎え、あちこちで特集が組まれたにもかかわらず、ワタシの知る限りでは洋楽の視点から切り込んだ媒体はなかった(もしご存じの方がいれば教えてください)。
ロックアーティストのパンフレットに漫画家が登場してページが割かれるというのは、ふつうに考えればミスマッチもいいところだ。がしかし、プリンス×ジョジョ×荒木という組み合わせはまさにどハマリで、してやったりという感じ。ニヤニヤしながら読んだ。安齋の品のないインタビューに3ページも割くくらいなら、その分を荒木に追加してもよかったのに、とさえ思う。
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