デイヴ・ヴァン・ロンク(Dave Van Ronk)
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』の主人公ルーウィンには、デイヴ・ヴァン・ロンクというモデルとなった人物がいる。この人の回想録をベースに、映画監督のコーエン兄弟が脚色し、映画が作られたそうだ。
そしてデイヴにあこがれたアーティストのひとりが、若きボブ・ディランだったそうだ。これが映画の宣伝コピーにもなり、ラストにも粋な仕掛けがされている。ルーウィンの後にステージに立ち、ギター弾き語りで切々と歌う若い男。その曲は、ディランの未発表曲『Farewell』で、公式にはこれが初公開だそうだ。
『Farewell』は、未発表だったのがもったいない輝きを放っていたと思うし、この曲がここで使われたということは、ディランサイドが映画の主旨や出来を鑑みて、OKを出したということなのだろう。
ここまではネットで調べたが、この後自分の手持ちの情報で何かつかめないかと思い、調べてみた。ディランがあこがれた人であれば、カヴァーアルバム『Good As I Been To You』『World Gone Wrong』辺りでデイヴの曲を取り上げているのではないかと当たりをつけた。が、なし。
しかしディラン関連本を読み、デイヴ直接ではないが、デイヴも歌ったトラディショナルが『The Bootleg Series Vol.1-3』の中に収められていることを知った。『He Was A Friend Of Mine』という曲で、3枚組のディスク1、2曲目に収録されている。この曲、ディランだけでなく、バーズやウイリー・ネルソン、キャット・パワー(!)もカヴァーしていることがわかった。
映画『No Direction Home』で、ディランを語る面々の中にデイヴもいたそうだ。トラディショナル『The House of the Rising Sun』を、自分がレコーディングする前に(自分のアレンジをコピーされて)ディランに先を越されたと、語っているらしい。この映画、2度ほど観ているが、デイヴを知らないがために記憶にない(汗)。次観ればわかるね。
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