ジョン・ウィック(ネタバレあり)
愛妻を失ったジョン・ウィックは、かつてマフィアに属する腕利きの殺し屋だった。亡き妻からの贈り物だった愛犬をロシアンマフィアに殺されたことから、復讐のために殺し屋の封印を解く。ボスはウィックが平穏な生活を捨てて戻ってきたことに警戒し、ウィックに不用意に仕掛けてしまった息子を叱責する。
キアヌ・リーブスがアクション映画に戻ってきた。キアヌ演じるジョンは、とにかく殺して殺して殺しまくり、躊躇もしなければ能書きを垂れることもない。ほんとうの殺し屋とは、ヒーローではなく淡々と仕事をこなす人ではないかと思っていて、ジョンはそのイメージに近い。
ジョンは短銃やライフルを手足の延長のように操り、カーチェイスを繰り広げながらの銃撃戦でも、ほぼ狙いをはずさず的確に仕留める(多くのマフィアがあっさりと殺されまくっていて、この作品は地上波での放送は難しいのではと思う)。ナイフも使い、柔道や柔術を思わせる格闘技にも長けていて、こうしたジョンのスタイルは、プロモ来日したキアヌによれば「ガン・フー」というのだとか。
ジョンは、いくつかのこだわりを見せている。クルマは69年型ムスタングに乗り(ムスタングを売れと突っかかってきたのが、ボスのバカ息子)、復讐に挑むときは必ずスーツ姿だ。仕事のための拠点には高級ホテルを選び、フロントとも顔馴染みになっている。ホテルの地下が、裏社会の社交場だ。
ウィレム・デフォーが、ジョンの友人でありジョンに並ぶとされる殺し屋役で出演。マフィアのボスにジョンの始末を依頼され引き受けるが、結局ジョンを助けていて、そのためマフィアによって悲惨な最期を迎えてしまう(このことも、ジョンの復讐心の火に油を注ぐ)。
映画ライターのコラムによると、既に続編の制作がほぼ決まっているのだとか。謎めいていることが、いくつかある。高級ホテル内での殺人は「掟破り」とされているなど、ホテルは特別な場所になっていて実はこのオーナーこそがマフィアのボス以上の裏社会の実力者のようにも思える。
また、ジョンがマフィアをやめる際、ボスは不可能な仕事をこなすことを条件に出したが、ジョンはやりきった。そのおかげで、マフィアは地位を築くことができたのだそうだ。それだけの仕事とは、いったい何だったのか?
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