ザ・ジャム(The Jam)『All Mod Cons (Deluxe Edition)』
1978年にリリースされたジャムのサードアルバム『All Mod Cons』が、2006年にデラックスエディションとして再発された。ジャムのアルバムでははじめての豪華盤化で、CD+DVDというパッケージだ。
CDは、オリジナルアルバムのリマスターにシングルとそのカップリング、リミックスバージョンやデモバージョンを付与したもの。アナログA面に該当する冒頭から5曲はどれも名曲で、バンドのキャリアにおいて重要な位置を占める。キンクスのカヴァー『David Watts』は、ジャムのための曲だったのではと錯覚させられる。
今回特に注目したのは、ラストの『Down In The Tube Station At Midnight』。ブックレットによると、当初ジャムを敵視していたパンクのアーティストたちは、この曲と歌詞に驚かされ、嫉妬したとのことだ。過激な詞をポップなメロディーにのせる手腕は、この後更に開花していく。
DVDは、結構やっかいだ(笑)。ワタシが持っている日本盤は輸入盤国内仕様とされていて、ブックレットの長文および歌詞の対訳、そして帯がついているのみ。ドキュメンタリーDVDなのに、字幕対応されていない。手抜きというかやる気なしというか。
タイトルは「Making Of All Mod Cons」になってはいるが、内容はデビューからこのアルバムの時点までのヒストリーで、レコーディングの場面はない。時折テレビ番組出演時の映像が流れ、ブルース・フォクストンとポール・ウェラーの立ち位置が逆なときもあって、結構貴重だ。
インタビューに答えているのは、ロック評論家、なぜかグレン・マトロック、そしてウェラー、フォクストン、リック・バックラーの3人。このドキュメンタリーのために新たに取ったと思われるインタビューだ。現役のウェラーは見慣れた風貌だが、フォクストンは若干くたびれ、バックラーに至ってはちびまる子ちゃんの友蔵のようだ。ウェラーは、アコギ弾き語りで『English Rose』を歌ってくれている。
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