ポール・ウェラー(Paul Weller)『At The BBC』
ポール・ウェラーのライヴDVD『At The BBC』を観た。その名の通り、ウェラーが英国国営放送の番組に出演したときの映像を集めたものだ。
番組の種類は大きく3つあり、元スクイーズのジュールズ・ホランドが司会を務める『レイター』『エレクトリック・プロムズ』『トップ・オブ・ザ・ポップス』といった具合。ウェラーが初のソロとなるセルフタイトルのアルバムをリリースしたのは92年で、それから『22 Dreams』をリリースした2008年までのかなり幅広い年代を扱っており、この人のソロキャリアの歩みが凝縮されているように見え、とてもありがたい。
ウェラーの容姿も、90年代は凛々しい感じだったのが、2000年代になると髪は銀髪になり、渋みのある表情になっていて、若きアーティストに慕われる「兄キ」から、モッドファーザーつまり「父」へと変わっていったようにも見える。そのときそのときのバックバンドも興味深く、ドラムのスティーヴ・ホワイト、オーシャン・カラー・シーンからのスティーヴ・クラドックにデーモン・ミンチェラ、元ステアーズのエドガー・ジョーンズなどの姿も拝むことができる。
演奏は、ギターをかき鳴らす曲はエモーショナルに、鍵盤弾き語りの曲ではしっとりめに、と、メリハリが利いている。また、エイミー・ワインハウスやカール・バラーといった、ちょっと意外なアーティストとのコラボレートもあり、この人の人望の厚さが伺える。
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