マニック・ストリート・プリーチャーズ(Manic Street Preachers)『The Holy Bible (10th Anniversary Edition)』
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最終更新日:2023/10/15
Manic Street Preachers サマソニ, フジロック, マニックス
マニックスは昨年、サードアルバム『The Holy Bible』を全曲演奏するライヴを、開催地限定で行っていた。フジロックでの来日はあったが、通常スタイルだった。アルバム全曲ライヴを日本で観ることなどできないだろうと、思っていた。
それが、今年のサマソニは『The Holy Bible』全曲演奏ときた。というわけで、2004年にリリースされた、10周年アニヴァーサリーエディションを棚から引っ張り出した。CDは2枚。Disc 1はUKミックス盤にボーナストラックが付加されたもの。Disc 2はUSミックス盤になっている。CDは、UKミックス盤を中心に何度も聴いていた。
注目は約90分のDVDだ。リリース当時つまり1994年の、トップ・オブ・ザ・ポップスなどのTV出演でのライヴ、グラストンベリー、レディングの野外フェスティバルの模様などが収められている。このとき、まだリッチー・エドワースはステージ向かって左に陣取り、ギターを弾いている。
後半の30分に渡るインタビューも興味深い。恐らくアニヴァーサリーのために収録されたと思われ、ジェームス、ニッキー、ショーンの3人が、それぞれに答えている。UKミックスとUSミックスについて、ジェームスが言及している。USミックスの話が来たとき、好きにやらせて、出来上がったのを聴いて気に入らないと言ってやればいいと、当初は思っていた。しかし曲によってはUSミックスの方が優れていると感じ、結局2種類の盤ができることになった。
作曲はジェームスとショーンが、作詞はニッキーとリッチーが、担っていたそうだ。ニッキーは歌詞の75パーセントはリッチーのものと言い、ジェームスはリッチーの詞を生かすように曲を考えたと言う。死刑を肯定する(と思われる)歌詞があるなど、3人はリッチーが持ってきた歌詞に大きなインパクトを受けていた。ニッキーによれば、リッチーは週に5冊の本を読んでいたそうだ。
ライヴ映像にレディングフェスティバルのがあるが、ステージにリッチーの姿はなかった。鬱状態などで治療や入院をしていて、このときはステージに立つのは難しかったようだ。キャンセルという選択肢も考えられたが、ニッキーは言った。「オレたちはワーキングクラスだ。仕事をなおざりにはしない。」と。3人でステージに立ったのは、このときがはじめてだったそうだ。
ワタシにとってのマニックスのベストフェイバリットアルバムは、そのときそのときで変わる。少し前までは『Everything Must Go』だった。でも、今現在は『The Holy Bible』だ。逆境をはねのけんとする3人の力強い姿を見て、心動かずにいられるものか。
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