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The Pop Group_Liquid Room Ebisu

公開日: : 最終更新日:2020/06/13 The Pop Group

開場前、マーク・スチュワートがリキッド2階に姿を見せていた。当然のように即席のサイン&撮影会になったが、丁寧にそして気さくに応じていた。巨漢で一見強面だが、ファンを大事にする人だ。

Zazen Boys終了からセットチェンジに約30分を費やし、そしていよいよポップ・グループ。真っ暗なステージをメンバーがゆっくりと登場。リリースされたばかりの新譜のタイトル曲『Citizen Zombies』でスタート。マーク・スチュワートは、タイトルにあやかってかゾンビのように両手を前に出してぶらぶらさせていた。

しかし、すぐさま『Y』からの『Thief of Fire』となり、ここで場内の熱気がグンと上がった。リリースから36年を経てもなお、古くなることなく、この曲は効力を発揮している。そしてそれは、再結成し本格活動しているバンドが好調であることの裏返しでもあるはずだ。

ドラムとベース(左利き)のリズム隊が放つビートの存在感が、まずすごい。若いギタリストは、バックヴォーカルもこなす。フロント万のマーク・スチュワートは、決して広いとは言えないステージを右に左にと歩きながら歌う。2本のマイクを使い、どちらにもエフェクトがかけられていて、マークの声が反響する。

そして、マークに並ぶと言っていいキーマンが、マークの向かって左に陣取っていたギターのギャレス・セイガーだ。テレキャスターをかきむしり、このバンドには不可欠な冷たくも鋭いリフを発している。そればかりか、曲によりキーボードを弾き、トランペットやクラリネットまで吹いていた。ポップ・グループが他のニューウェーヴのギターバンドと一線を画しているのは、この人あったればこそと思った。

シングル『She Is Beyond Good And Evil』や『For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?』の冒頭曲『Forces Of Oppression』などは、圧倒的に強い。2011年のサマーソニックでも観ているはずだが、会場の密閉感やほんとうにバンドを好きな人たちが集まったからということもあるのか、場内の密度の濃さが尋常ではなかった。

本編ラストは、『We Are Time』。マークは歌詞に合わせて「I!」のときは自分を、「You!」のときはフロアを指差し、そして「We!」「Are Time!」とシャウトする。この曲がこんなにも前のめりに機能するなんて。そしてアンコールは、『Where There’s A Will』で締め括った。

物販のTシャツは、なんと「ひょっとこ」がプリントされた日本限定アイテムだ。更には、公式サイトは日本語にも対応している。日本に寄ってくれているのはとても嬉しく、もしかしたら近いうちにフェスとかで再来日してくれるかもしれない。そのときには、新譜『Citizen Zombies』からの曲も、ツアーを経て馴染んでいるはずだ。

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