ST.VINCENT_Hostess Club Weekender #hostessclub
公開日:
:
最終更新日:2020/06/13
Hostess Club Weekender 2015.2. セイント・ヴィンセント, トラヴィス, フジロック, モグワイ
この日いや2日間で最も楽しみにしていたはずのセイント・ヴィンセントだったが、開演直前に不安になってしまった。サーストン・ムーアが思った以上に素晴らしかったのと、去年のフジロックと内容が全く同じだとすると、観てもノリ切れなくなるかもしれないと思ったからだ。
しかし、そんなのは杞憂だった。
素晴らしいライヴだった。こういう人こそもっと世に知られ、報われなくてはならない。
腕も足も、体全体も細い。しかし、この人はパワフルでエネルギッシュだ。歌声は甲高く、そしてシャープ。透き通っていて、天使の声とでも形容したくなる。そして純白のギターを弾き始めると、ギアが更にひとつ入る。金属音に近いノイジーなリフが炸裂し、フジのときに受けた衝撃がまざまざとよみがえってくる。
ロボットのように細かく歩き、日本人女性と合わせて首を右に動かすなど、アクションだけでも見ていて飽きない。パントマイムを習得しているのだろうか、ステージ上のスペースを生かした表現も素晴らしい。歌だけ、歌と踊り、歌とギター、という女性アーティストはそこそこいる。が、彼女のように表現する人は、ちょっと思い付かない。
ひな壇で仰向けに寝ながら歌ったり、よれた動きをしながらゆっくり転がったり。中盤でひな壇最上段まで上がって歌う。この高さで歌いギターを弾いた人は、この2日間で彼女だけだろう。
ワタシが観たことのあるHCWのトリは、ムーム、トラヴィス、モグワイ、ベルセバ。つまり、いずれもバンドだ。(ワタシが行かなかったHCWではキャットパワーがトリだったこともあるが)ソロアーティストがトリをこなすことの難しさを、物語っていると思う。
彼女の凛としたさまは、PJハーヴェイのアーティスト性の系譜にあり、またプリンスのDNAを受け継いでいるようにも見える。小柄で華奢な彼女だが、存在感の大きさはハンパない。溢れ出すエネルギーの大きさも、鋭くそして強大だ。
無言でライヴを進めるのかと思いきや、何度かMCもあった。単語を断片的にしか聞き取ることができなかったが、噛み締めるように話してくれ、キレイな英語だったと思う。力強いだけでなく、チャーミングな彼女の一面も見た。
アンコールでは、ノイジーなリフを連発して暴れていたかと思うと、ステージ向かって左前方に寝転がり、スタッフに肩車されてフロアに突入。ギターを弾きながら前方のオーディエンスとタッチし、やがてギターを預けてしまい、ちょっとだが自らの身も預けてクラウドサーフしていた。最後はメンバーを手振りで紹介し、深々と礼をしてライヴを終えた。
setlist:
01:Rattlesnake
02:Digital Witness
03:Cruel
04:(text)
05:Marrow
06:Every Tear Disappears
07:Laughing With A Mouth Of Blood
08:Jesus
09:(text)
10:Year Of The Tiger
11:Actor
12:Surgeon
13:Cheerleader
14:Prince Johnny (no rolldown)
15:Bring Me Your Loves
16:Huey Newton
17:Regret
18:Birth In Reverse
19:Severed Cross Fingers
20:Your Lips Are Red
無事に2日間が終了。参加された皆さん、おつかれさまでした。
関連記事
-
Hostess Club Weekender2日目_Studio Coast
不安定な天候の中、予定より15分遅れて開場。 今日も1日楽しみます!
-
Hostess Club Weekender、まとめページ #hostessclub
2月21日(土) ・開場 ・EAST INDIA YOUTH ・HOW T
-
BELLE AND SEBASTIAN_Hostess Club Weekender #hostessclub
以前のHCWでトラヴィスやモグワイを観たときにも同じことを感じたのだが、それ以前に出演したアーティス
-
Hostess Club Weekender初日_Studio Coast
ちょっと前に開場。 今日と明日、2日間楽しみます!
-
Hostess Club Weekender(2015年2月開催)、最終ラインナップ発表
11月開催のHostess Club Weekender(HCW)は、ラインナップがなかなか決まらな