ONCE ダブリンの街角で(2007)
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最終更新日:2016/10/29
ジョン・カーニー
アイルランドのダブリン。ストリートミュージシャンの「男」に、花売りの「女」が曲や恋人について話しかける。男が付き合っていた女はロンドンへ行き、チェコ系移民の女は母親と娘と住んでいた。夫はチェコにいるという。
女はピアノの心得があり、2人は音楽のパートナーになる。女は男のミュージシャンとしての夢の実現を応援し、ロンドンに彼女を訪ねるよう言う。2人はほかのストリートミュージシャンを誘ってバンドを組み、スタジオでレコーディングする。
低予算で作られ、公開も当初は少なかったそうだ。それが、作品のよさが口コミで広まり、劇場数を増やしたとのこと。その後ブロードウェイのミュージカルにもなり、去年暮れには六本木のEX Theaterでも公演が行われている。
決してド派手な作品ではない。そもそも、劇中2人に名前はない。男は穴の開いたアコギを使い、弾き語りで歌を歌う。女は身持ちが固く、2人はべたべたな恋愛関係にはならない。というか、ワタシはこの作品は音楽をベースにした物語で、ラヴストーリーとは思わない。2人の間のつかず離れずの微妙な距離感こそが、いいのだと思う。
ダブリンの街並みも、近代化されすぎず歴史の重みが適度にあって、いい雰囲気だ。2人がレコーディングのために声をかけるストリートミュージシャンは、最初シン・リジィしか演らないと言っていて、フィル・ライノットの銅像前で演奏していた(笑)。
男と女を演じている2人は、映画の前からザ・スウェル・シーズンというバンドで活動している、プロのミュージシャンだそうだ。映画公開が2007年だが、2009年に来日公演も行っていたようだ。
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