クローン(2001)
公開日:
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最終更新日:2022/03/16
フィリップ・K・ディック ディストピア, フィリップ・K・ディック
未来都市。優れた科学者のスペンサーは、医師のマヤと幸せに暮らしていた。あるとき、スペンサーは保安局責任者ハサウェイに突如捕らえられる。本物のスペンサーは既に殺されていて、死体をコピーし体内に爆弾を積んだクローンとの容疑をかけられたのだ。
スペンサーは処刑される直前でなんとか脱出し、自分がクローンではない本物であることを証明しようとする。病院に保管されている、3年前の自分の検査記録と比較し合致すれば証明できると考えるが、保安局に追い込まれて失敗。森林公園でマヤと再会したスペンサーは、宇宙人の乗った船が燃えているのを見つける。
B級度抜群の(笑)SFサスペンスで、正直に言って劇場で観ていたらキツいと感じていただろう。しかし、自宅で観る分には問題なし。都市内の設備や風景などはほとんどがチープだが、その分よりストーリーに没頭できる。都市ドームの外にスラム街があり、医療設備や薬品が不十分な状況の中で医師が奔走し傷ついた人が苦しむ姿には、格差社会のようなものを感じる。
ラストには、2度裏切られる。保安局に包囲される中、燃える宇宙人の船に乗っているのが別人であれば自分が本物と証明できる。そう思ってスペンサーは船の中を覗きこむが、死体はなんとマヤ。クローンはマヤだった。保安局により、マヤは処分されてしまう。ハサウェイも宇宙船を覗きこむが、マヤの死体の隣にはスペンサーの死体が。つまりは2人ともクローンだったのだ。そして、クローンであるスペンサーは、ここで爆発する。
原作はフィリップ・k・ディックで、この人の作品にほぼ一貫している「人間とは」というテーマが、ここでもにじみ出ている(原作は短編で、映像はかなり肉付けされているようだが)。自分が人間と信じて疑わなかったスペンサーに、お約束のハッピーエンドではなくこういう結末が用意されるというのも、ありかもしれない。
キャストは、ひとりだけわかった。主人公スペンサーを演じているのは、『CSI:ニューヨーク』の主人公の捜査官も演じている、ゲイリー・シニーズだった。
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