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ルーシー(ネタバレあり)

ルーシー

台北。ルーシーはマフィアの裏取引に巻き込まれてしまい、体内に合成麻薬を埋め込まれ運び屋として海外に送られそうになる。しかし合成麻薬の袋が破れてルーシーの体内に回り、脳が活性化されてしまう。覚醒したルーシーは、人間を越えた能力を発揮する一方、自分の肉体が体内で起こっていることに耐えられないと悟り、脳科学者ノーマン教授にコンタクトを取ろうとする。

舞台は台北からベルリンやへと展開するが、台北のマフィアは韓国人だった。韓国のマフィアが台北に拠点を構えているとすればいちおう筋は通るが、欧米人が見たら台湾も韓国もあまり区別がつかないのではないだろうか。その台北に、ルーシーがなぜいたのかもよくわからない。冒頭で勉強とか試験とか言っていたので、留学していたのかもしれない。

監督リュック・ベッソン、ルーシーに、ノーマンに。パリでの、道路を逆走し果ては歩道を突き進むド派手なカーアクションは、リュック・ベッソンらしい。モーガン・フリーマンは、いい年齢にもかかわらずまあ出演作の多いこと。先月観た『トランセンデンス』にも出ていたし。

スカーレット・ヨハンソンはハードなアクションをこなし、に続くアクション女優になりうる資質を披露。連続ものの作品といつか巡り逢えれば、それが彼女の代名詞的作品になるかもしれない。

世の中の評判は、果たしてどうだろうか。個人的には、微妙。人間は脳を10パーセントしか使っておらず、100パーセント使えばどうなるか、という着眼点はいい。それが人類の起源に結び付いていくのも、悪くはない。ただ、覚醒した後のルーシーに設定したタイムリミットが、短すぎたと思う。24時間ではなく、せめて3日くらいあればと思った。

上映時間は90分なかったはずで、あと60分足して、3日の間に彼女が全世界に及ぼしうる影響の大きさを、もっと描いてもよかった。ラスボスが結局韓国マフィアのボスというのも、スケール感をちっぽけにしてしまっている。あんな奴はさっさと倒して、世界を裏で牛耳る武器商人とか核兵器を悪用せんとする組織のボスとかと対峙するとか、というのを途中で描いてもよかったと思うのだ。

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