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her 世界にひとつだけの彼女(ねたばれあり)

her 世界にひとつだけの彼女

代筆ライターのセオドアは、幼馴染みのキャサリンと結婚しかつては幸せな生活を送っていたが、現在は別居し離婚調停中。あるとき人工知能OSを購入し、パソコンと携帯端末にインストール。人工知能はサマンサと名乗った。

最初は帰宅時や就寝前に会話する程度だったが、サマンサは進化する高性能人工知能で、パソコン内のファイル整理などお手のもの。そればかりか気の利いたジョークを飛ばしたり、傷ついたセオドアを優しく慰めてくれたりする。

そんなサマンサにいつしかセオドアは恋愛感情を持つようになり、サマンサもセオドアを受け入れようとする。サマンサは、自分の中に芽生える恋心が、プログラムなのかそれとも感情なのかと自問する。

電話もメールチェックも、コンピューターを内蔵した小型イヤホンで行う、そう遠くない未来のロサンゼルス(撮影地は上海だった)。人間の男性と人工知能OSの女性との恋愛は、ともすれば対人コミュニケーションが苦手な男が自分の言いなりになる機械を相手にするという、危ない方向にも行きがちだが、ここでは、こういう関係性もありだと思わせてくれる、うまい描き方をしている。

キャストは、セオドアに、元妻キャサリンに、友人エイミーに、そして、サマンサつまり声だけの出演なのが、だ。

音楽は、監督のとも親交が深い。主題歌『The Moon Song』は、劇中ではホアキン・フェニックスとスカーレット・ヨハンソンのデュエットバージョンが、エンドロールではカレンOバージョンが、それぞれ流れる。どちらもいい出来だが、強いて言えば劇中バージョンの方が、2人の関係を象徴しているように思えて好きだ。

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