北九州市漫画ミュージアムに行ってきた
個人的に、はじめて訪れる福岡。主目的は椎名林檎のライヴだったが、せっかくなのでいくつか観光もしてきた。
12月14日(土曜)に福岡空港に到着し、ホテルでひと休みした後、北九州市漫画ミュージアムのある小倉へ。博多駅発の新幹線(発車メロディーは『銀河鉄道999』の映画版主題歌)で、約15分で小倉駅に到着。新幹線口を出たところに、キャプテン・ハーロックの銅像があった。
ミュージアムは、駅から近いショッピングモール「あるあるCity」の5階6階にある。北九州市にゆかりのある漫画家を中心に、漫画文化を幅広く発信するべく2012年にオープン。初代名誉館長は松本零士で、現在はわたせせいぞうが務めている。エントランスには、ハーロックの等身大フィギュアが展示されていた。
わたせせいぞうと松本零士には、まとまったコーナーがあった。わたせの作品は『ハートカクテル』などグラフィカルなおしゃれ路線のイメージだが、園山俊二(『ギャートルズ』など)に師事し、ギャグ漫画家を目指していたそうだ。しかし、園山はストーリーマンガを描くようアドバイスしたとのこと。園山は、わたせの資質を見抜いていた。
松本零士は、生い立ち、描いた作品などを細かく紹介し、インタビュー動画、そして『銀河鉄道999』のオリジナル?動画などが展示されていた。『クイーン・エメラルダス』『新竹取物語1000年女王』『銀河鉄道999』『戦場まんがシリーズ』『キャプテン・ハーロック』は、かつて単行本として持っていたので、懐かしくなった。インタビューで、アニメ『鉄腕アトム』第1話は、松本所持の映写機で撮影したと語っていた。
漫画の表現方法や漫画産業の変遷、北九州市出身の漫画家と作品を紹介するデータベースなどのコーナーを経て、戦後のマンガを紹介し実際に手に取って読めるコーナーが圧巻だった。70年代後半から80年代は、個人的に最もマンガを読んでいた時期で、見覚えのある作品が目白押しだった。最も驚いたのは、戦後最初のコーナーにあった手塚治虫の『新宝島』だ。これが読めるとは、思わなかった。
最後は閲覧コーナーになっていて、膨大なマンガが数多くの棚に収まっており、さながらマンガ図書館のようだった。とても素晴らしく羨ましいが、時間を忘れてしまいそう空間だ。
イベント、スクール、新進マンガ家の作品紹介、ソムリエの設置など、あまり商業色を感じさせず、漫画文化普及に務めているさまが伺える。
マンホールアートが計9か所にあるとのことだったが、時間的な都合もあり、ミュージアムから最も近いメーテルのマンホールのみ確認。
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