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ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Sweet Summer Sun』

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Sweet Summer Sun』

結成50周年ツアーの締めくくりとなった、2013年7月にのハイドパークで行われた公演のDVDを観た。

純粋にライヴオンリーではなく、ドキュメンタリーの要素もところどころに入っている(特に出だしには)。ストーンズがハイドパークでライヴをするのは、1969年のブライアン・ジョーンズ追悼公演以来実に44年ぶりとのこと。その44年前を回想する、インタビュー音声と当時の映像なども交えられている。

、チャーリー・ワッツ、ロン・ウッド。4人がそれぞれ楽器を抱えて袖からステージに姿を見せるシーンだけで、もうゾクゾクしてくる。『Start Me Up』でライヴがスタートするのは定番だが、続くのが『It's Only Rock ‘n' Roll』『Street Fighting Man』というのは、ちょっと意外。60年代のバラード『Ruby Tuesday』の後に新曲『Doom And Gloom』を持ってきていて、ベストヒットで固めるのではなく、結構攻めている。

巨大ビルのようなステージセットと、中央からフロアに突き出ている花道は、44年前では考えられなかったことだが、それはストーンズが刻んできた歴史の重みを象徴するひとつだ。ステージから客側を捉えるアングルもあって、つまり、バンドからオーディエンスはこのように見えている、というのを体感できる。ぎっしりと人で埋め尽くされ、サイドにはスタンド席も設置されていた。

キース・リチャーズのコーナーになる辺りから日が傾き始め、夜の景色に彩られていく中、カントリー調の『You Got The Silver』はマッチしている。『Midnight Rambler』では、ツアーの帯同しているミック・テイラーが登場。44年前のハイドパーク公演こそ、テイラーがストーンズに加入してからの最初のステージだった。ストーンズの人だけでなく、この人にとっても、ハイドパークは「約束の地」だったのだ。

終盤はさすがに定番曲の固め撃ちで、オーラスは『Satisfaction』だった。ボーナス映像としては、日替わりと思われる3曲のほか、日本盤オンリーで『Tumbling Dice』が収められている。

欲を言えば、ドキュメンタリーこそボーナス映像にしてほしかった。また、『Ruby Tuesday』のときはサビ直前まで客の表情を映していて、いやいやステージ映してよとも思った。がしかし、そうした不満を差し引いたとしても、この映像が圧巻であることに変わりはない。

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