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椎名林檎(生)林檎博’24ー景気の回復ー@さいたまスーパーアリーナ

公開日: : 最終更新日:2024/11/22 ライヴ ,

椎名林檎(生)林檎博'24ー景気の回復ー@さいたまスーパーアリーナ

開演時間を5分ほど過ぎたところで、オーケストラのメンバーが入場。コンダクターの斉藤ネコが、客側に向かって大きく手を振ってくれた。続いてドラム石若、ベース鳥越、ギター名越、キーボード伊澤も入場。4人は、色違いのラメ入り衣装だった。

ここでやっと客電が落ち、バックドロップに5人のお坊さんが登場し、レーザー光線を発する。『鶏と蛇と豚』のイントロが流れ、ひとりのお坊さんが宙に浮く。彼らは実物ではなく映像だと、ここでわかる。

はどこからどうやって登場するのかと固唾をのんで見守っていると、なんとステージ上部のUFOを思わせる形状のアーチから、『宇宙の記憶』を歌いながらゆっくりと降りてきた。ブロンドにピンクの衣装を纏っていた。

ステージは前方にオーケストラピットがあり、向かって右前方に石若と鳥越、左前方に伊澤と名越が陣取っている。オーケストラの面々は、ワタシの席からは残念ながら見えないが、ハープだけは確認することができた。ピットを囲むように、花道ができていた。

前半は、実験的というか、結構攻めているように思えた。『さらば純情』『おとなの掟』では、マーメイド姿になっていた。何度も衣装替えするのは彼女のライヴでは恒例だが、今回は体のラインがはっきりわかってしまうレオタードもあった。

林檎の小2の息子によるナレーションを経て(作曲は得意だが作詞にはかなり苦しんでいるのだとか)、レベッカ『MOON』のカヴァーも披露。ツアーではだいたいカヴァーをするが、そのチョイスのセンスが相変わらず素晴らしい。

新譜『放生会』では、複数の女性アーティストをゲストを招いて共演している。ここでは、まずAIとの『生者の行進』を。AIのヴォーカルはスクリーンの映像として流し、林檎は生歌でデュエット。映像とナマ歌唱とのシンクロが成立するのも、今や珍しいことではない。

そして、曲名不明の新曲だ。ふたりのダンサーを両サイドに従え、林檎もかなり激しく踊っていた。それまでもダンサーをツアーに起用したことはあったが、彼女自身がそこに加わって共に踊るのは、とても珍しい。やがて、3人は花道にまで繰り出した。今回ワタシは座席に恵まれ、なんとアリーナA4ブロック。花道の先に来た3人を、すぐ間近で観ることができた。

『望遠鏡の外の景色』は、メンバー紹介タイムだ。オーケストラとバンドは「銀河帝国楽団」と称され、スクリーンに会場入りするメンバーが映し出された。ほとんどのメンバーがサングラスをかけていて、ちょいワルさを出していた(笑)。バンドのところでは紹介された人が軽く演奏するのだが、鳥越はディーブ・パープル『Burn』のリフをちらっと弾いていた。

林檎は和服姿になって登場し、『茫然も自失』を経て、向かって右の袖から同じ格好をした中嶋イッキュウがするするとステージに出てきて、『ちりぬるを』をデュエット。『ドラ1独走』は、新しい学校のリーダーズと映像デュエットだった。そしてなんと、アニメ『タッチ』の同名主題歌を歌い出したのはDaokoだった。やがて林檎も加わるが、ふたりとも野球のユニフォーム姿だった。

『自由へ道連れ』は、イッキュウと林檎とのデュエット。イッキュウは、まるで林檎のコスプレかと思うくらいに似せてきた。その林檎は男装の麗人のような衣装で、そのまま続く『余裕の凱旋』でDaokoとのデュエットにつながっていった。

怒涛の攻めはなおも続き、『ほぼ水の泡』でチャラン・ポ・ランタンのももが登場しデュエット。すると、バックドロップにはギターを抱えた巨大な猫がお目見え。イッキュウ、Daoko、ももと勢揃いし、『私は猫の目』を。やがて、ダンサーのSAKRAとCHINATSUも含め、6人で花道前方に足を進めてきた。総力結集ぜんぶのせのような攻めで、本編が終了した。

アンコールは、映像のパフュームのっちとの『初KO勝ち』を経て、オーラスは『ちちんぷいぷい』。林檎もメンバーもステージを後にし、『2◯45』が流れる中、年号のカウンターが2024から進んで2045に。スクリーンには退廃的な映像が流れ、この日のライヴのステージセットの残骸が散見。そしてアンドロイドの林檎の首がもげ落ち、年号が再び2024年に戻ったところで、すべてが終了した。

セットリスト
鶏と蛇と豚
宇宙の記憶
永遠の不在証明
静かなる逆襲
秘密
浴室
命の帳
TOKYO
さらば純情
おとなの掟
MOON (REBECCA cover)
ありきたりな女
生者の行進
(新曲)
人間として
望遠鏡の外の景色
茫然も自失
ちりぬるを(with 中嶋イッキュウ)
ドラ1独走
タッチ(with Daoko)
青春の瞬き
自由へ道連れ(with 中嶋イッキュウ)
余裕の凱旋(with Daoko)
ほぼ水の泡(with もも)
私は猫の目(with 中嶋イッキュウ、Daoko、もも)

アンコール
初KO勝ち
ちちんぷいぷい

エンドロール
2◯45

11月下旬に椎名林檎がさいたまスーパーアリーナで公演をおこなうのは、なかば恒例行事のように思っていたが、かれこれ6年ぶりになるそうだ。今回も3公演が組まれているが、23日24日はと被ってしまい、あえなく断念。その代わり、ツアー最終の地福岡に行くことにしている。

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