MARVEL 倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密
紙媒体としてスタートしたマーベルが、やがて映像の世界に進出。その一連の流れを追った書籍を読んだ。
マーベル・コミックは、1939年に出版(19世紀からコミックは存在し、1938年には他社の『スーパーマン』『バットマン』は世に登場していた)。1940年に、マーベル最初のスーパーヒーロー『キャプテン・アメリカ』を輩出。同時期にアルバイトとして雇用されたのが、当時17歳のスタン・リーだった。
やがてスタン・リーは編集長に抜擢され、1960年代には多くのスーパーヒーローを輩出。しかし、その後の経営は常に順調とはいかず、一時は倒産寸前の状態になるなど苦戦を強いられる。そして、キャラクターグッズのビジネスやテレビドラマ化を経て、ハリウッドに進出。大人向け実写映画の実現を、目指すようになる。
前半はマーベルコミック誕生からメディアミックス進出、中盤以降は映画会社との権利関係をめぐる格闘とマーベルスタジオ設立、マーベル・シネマティック・ユニバースの実現、というのがざっくりとした構成だ。要所で、キーパーソンやヒーロー作品の名が登場している。
1986年の『ハワード・ザ・ダック』は大コケしたが、1998年の『ブレイド』はさほど目立つヒーローでなかったにも関わらず興行的に成功し、実写ヒーローのニーズがあるという確信を得た。ブライアン・シンガーが監督した『X-Men』には、インターンあがりのケヴィン・ファイギがアシスタントとして参加していた。サム・ライミが監督した『スパイダーマン』シリーズは、大ヒットした。
マーベルスタジオを設立し、第1作をどのヒーローにするかを決めた経緯も書かれている。こどもたちに、どのヒーローのおもちゃで遊びたいかアンケートをとり、断トツて人気があったのがアイアンマンだったそうだ。また、MCUを始めたときは、俳優だけでなく監督もオーディションで選び、実績にこだわることなく若い人材を登用した。
時間軸的には、『エンドゲーム』でフェーズ3が完結し、フェーズ4が始まったあたりまでをフォロー。2020年9月に刊行されている。
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