映画『さくらん』を観に行って来た
江戸時代、吉原の遊郭に売られてきた少女はきよ葉と名づけられた。遊女の世界に反発しつつも、成長したきよ葉はやがて遊郭のトップになり、花魁になって名前も日暮となる。遊郭内ではドロドロした女同士の意地の張り合いもあり、またさまざまな客との複雑な人間模様も繰り広げられる。
監督蜷川実花、主演土屋アンナ、音楽監督椎名林檎、原作安野モヨ子、等々、主要キャストやスタッフをことごとく女性陣で固めた作品だが、個人的にはかなり「微妙」だった。
ストーリーは次の展開が読めてしまったし、キャラクターの内面の描かれ方も不十分。木村佳乃が殺したいほど永瀬正敏を愛していたようには見えなかったし、そもそも木村佳乃と菅野美穂の役は逆の方がよかった(菅野の方が嫉妬に燃える役をうまくこなせたはず)。土屋アンナが安藤正信のことをどう思っていたのかも不明で、よってラストは説得力を欠いている。椎名林檎が手掛けた音楽は、それ自体は質の高いものではあるが、劇中効果的に機能していたとも言い難い。
ではよかった点は皆無かというとそういうわけでもなく、まず映像自体の斬新さや美しさには目を見張るものがある。そして、豪華キャストがちょい役で出演しているのにも注目。忌野清志郎やガレッジセールのゴリ、小泉今日子などが出ているが、ワタシはいずれも気付かず、エンドロールで名前を見て、後でいろいろ調べてみて出ているところがわかったのだった。この作品、観る人が男性か女性かで、受ける印象は大きく異なってくるような気がする。
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