ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)『Live At The Fonda Theater 2015』
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映像 キース・リチャーズ, ミック・ジャガー, ローリング・ストーンズ
ローリング・ストーンズは、2015年にZip Codeツアーを敢行。その初日である5月20日のロサンゼルス公演が、映像化されている。名盤『Sticky Fingers』を全曲演奏するという、スペシャルな公演だ。
会場のフォンダ・シアターは見るからに狭く、キャパシティ1,200とのこと。イメージとしては、映画『シャイン・ア・ライト』の会場に近い。ライヴは『Start Me Up』でスタート。そして、ミック・ジャガーがMCでアルバム全曲演奏がストーンズにとって初の試みであること、アルバム収録曲順ではないよと断って、『Sway』を。
それまでのツアーでは、マストで演奏されていたのは、『Brown Sugar』くらい。スティール・ホイールズ・ツアーでは『Bitch』が、リックスツアーでは『Can't You Hear Me Knocking』が、組み込まれていたことはあった。来日公演では、日替わり曲として『Dead Flowers』や『Sister Morfine』が演奏されたことはあった。大半の曲は、ライヴ演奏されるのが超レアだ。
曲間にはミックが頻繁にMCを入れ、次の曲の紹介やバックボーンなどを語る。スタジアムとは異なる、シアター会場での観客との距離感ならではと思う。また、合間合間にメンバーや関係者によるインタビューがモノクロ画面で挿入され、おのおのがエピソードを語ってくれた。『Bitch』の直前には、前年に亡くなったサックスのボビー・キーズについてミックやキース・リチャーズからコメントがあり、少ししんみりした。
ステージが狭い分、ミックのパフォーマンスはフィジカル抑えめ、ギター若干多めになった。キースもロン・ウッドも頻繁にギターを替えていて、『You Gotta Move』でキースはマーティンの12弦ギターを弾いていた。チャーリーはTシャツ姿の軽装で、いつもと変わらない佇まいだ。
個人的には、『Moonlight Mile』がハイライトだった。『Sticky Fingers』のラストを飾る曲で、そのポジションにふさわしい物語を締めくくるようなメロディーの大作ナンバーだ。あまり演奏されないのは、ライヴ映えししにくい曲だからかもしれないが、にしても封印されるにはもったいなさすぎる曲だ。
本編は『Brown Sugar』で締め、アンコールではカヴァーを経ての『Jumpin' Jack Flash』。なお、DVDでは数曲カットされているが、実際のライヴのセットリストは以下とのこと。
“Start Me Up”
“When the Whip Comes Down”
“All Down the Line”
“Sway”
“Dead Flowers”
“Wild Horses”
“Sister Morphine”
“You Gotta Move”
“Bitch”
“Can't You Hear Me Knockin'”
“I Got the Blues”
“Moonlight Mile”
“Brown Sugar”
Encore
“Rock Me Baby”
“Jumpin' Jack Flash”
“Can't Turn You Loose”
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