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Radiohead(レディオヘッド)(2)

Radiohead『Kid A』

2000年秋にリリースされた『Kid A』は、まさに衝撃だった。ギターバンドというフォーマットから脱却し、電子音楽をベースにしアンビエントな佇まいで異世界を表現したようなサウンドには、ほんとうに驚かされた。それまでが好きで好きで仕方がなかったファンは戸惑っただろうし、もしかしたらこの作品を最後にレディヘから離れてしまった人もいるかもしれない。しかし個人的にはハマりにハマり、若きUKバンドから完全に一歩抜け出てしまった。

翌2001年には、姉妹作とも言える『Amnesiac』がリリース。音楽的には『Kid A』ほどのインパクトはなく、幾分ワタシたちのところにまで歩み寄ってくれたような温かさを感じる。『Kid A』がシングルカットなし、PVなしだったのに対し、『Amnesiac』はそのどちらもやっている。

実は、『Kid A』の前年にはが『Fragile』という2枚組の大作をリリースしていた。やはり異世界を思わせる壮大なスケールを備えた作品だったが、少し長すぎで途中だふついていたという不満もワタシは持っていた。レディヘの2作品は、まあ好みの問題にもなるが、作品の質で『Fragile』をしのいでいたし、かつ世紀をまたぐ形で別個の作品としてリリースするというやり方もうまいと思った。この2作品のあり方は、の『Low』『Heroes』にも酷似している。

ラディカルでヒットとは無縁と思われた作品であったにもかかわらず、『Kid A』は全米チャート1位を獲得してしまった。これは90年代にリリースされたUKアーティストの作品では、の『The Fat Of The Land』しか成しえていないことで、レコード会社の販売戦略とか、アメリカ人のCD購買層の嗜好とか、そういったところを超えたところに到達したからこそできたのだろう。

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