エイリアン:ロムルス(結構ネタバレ)
植民惑星の鉱山で、労働者として働くレイン。友人のタイラーたちに誘われ、6人で放置された宇宙ステーションのロムルスから冷凍睡眠装置を盗んで別の惑星に行く計画に乗る。ロムルスに侵入するにはアンドロイドが必要なため、彼女の「弟」のアンディも同行する。
タイラー、彼の従兄弟のビヨン、アンディでステーションを探索するが、休眠状態のエイリアン・ビッグチャップが覚醒してしまう。レインたちは彼らを助けるため、基地内に破壊され残存していたアンドロイドのチップをアンディにセット。アンディはロムルスのシステムにアクセスできるようになるが、最上位の指令が書き換えられてしまう。
『エイリアン』シリーズの最新作で、劇中の時間軸は『エイリアン』の20数年後にあたる。宇宙船内のコンピューターのモニターがブラウン管なのをはじめ、どこかレトロ風なのは『エイリアン』の作風を継承しているからだ。一方で、ロムルスは土星の環のような小惑星群に近接していて、その美しさは今の技術の賜物だと思う。
劇中の設定としては、爆発し宇宙空間に飛散している宇宙船ノストロモ号の空域から、無人探査機が生命体の繭のようなものを取得。また、リプリーによって宇宙に吹き飛ばされたエイリアンがなんと絶命しておらず、捕獲されていた。ロムルスは、ウェイランド・ユタニ社によるエイリアンを研究する施設だったのだ(アンディも同社製のアンドロイド)。
今までの作品は、登場人物は軍人や研究者たちがほとんどだったと思う。本作の主要6人は民間人でしかも少年少女たちで、これは新鮮だった。宇宙船の操縦や銃器の扱いなどは問題なくこなしていて、宇宙開拓する時代の一般人を描いていた。
アンドロイドは、今までの作品でもキーになっていた。『エイリアン』では、アッシュがそもそもアンドロイドだと知らされておらず、会社の利益のためにクルーを犠牲にしても構わないという指令を受けていた(本作に登場する残存していたアンドロイドは、アッシュと同型)。『エイリアン2』では、その経験からビショップにリプリーが疑いを持つも、最後の最後で役立っている。
アンディは、セットされるチップによって挙動が変わり、もともとはレインたちのサポート役だったのが、ウェイランド社のためにレインたちを見殺しにもしようとする。動作としては理に叶っているが、同一のアンドロイドが真逆の挙動をする描かれ方はなかったので、新鮮だ。
キャストは、レインにケイリー・スピーニーで、今後の活躍が期待できる人。6人のメンバーのひとりでタイラーの妹ケイは、イザベラ・メルセード(『マダム・ウェブ』の3人の少女のひとりアーニャ)。監督・脚本はフェデ・アルバレスで、リドリー・スコットは製作に名を連ねている。
「ロムルス」は古代ローマ建国の王の名で、タイラーたちがステーションに侵入した際、船内に絵画を見かけている。
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