ベック(Beck)、4年ぶり単独来日
今週からベックの来日公演がスタートする。ワタシは東京の追加2公演、リキッドとZeppに行くことにした。
ベックは、ほぼリアルタイムで聴き続けている。カート・コバーンが自殺した94年4月、シングル『Loser』がしょっちゅうかかっていて、それを歌っているのがベック・ハンセンというりんごほっぺでなで肩の男のコだということが後にわかった。そのときは、なんだかヘンな奴が出てきたなあくらいの印象しか持たなかった。96年にリリースされた『Odelay』は、ダンス~ファンク~ブルース~ヒップホップといったさまざまなジャンルをミックスしたような音楽性で、この作品で評価は決定的なものになった。
96年のツアーで来日したとき、ワタシはクラブチッタに観に行き、これがベックとのファーストコンタクトになった。すかすかした音、間延びする曲間、オーラのなさ、と、これがあの絶大なる評価を得ているベックなのかと、がっくりして帰途についた記憶がある。その後、98年のフジロックではグリーンステージを大モッシュで包んだが、個人的にはその前年の嵐のフジロックを体験していたことから、それほどの衝撃を受けなかった。
そして99年、今度は『Mutations』のツアーで来日。ここでワタシは衝撃を受けた。中盤まではアコースティックで進んでいたのだが、その地味なたたずまいの中に圧倒的な存在感を感じてしまった。そして後半はロックチューンとなり、中盤までとのいい意味での落差ができていて、それも見事だった。この年、それまでのキャリアを総括するような『Midnight Vultures』をリリース。翌2000年の来日では、ついに武道館に進出。このときワタシは、幸運にもアリーナ最前列のチケットを入手することができ、しかもほぼ中央のブロックだったので、目と鼻の先でベックのパフォーマンスを楽しむことができた。
武道館最前列という、なんとも贅沢なポジションでのライヴを体感してしまったためか、以降作品は聴き続けてはいたが、ライヴからは遠ざかる形になってしまった。『Sea Change』に伴う2003年のツアーはスルーし、2005年のフジロックではホワイトステージのギャング・オブ・フォーからダイナソーjr.を優先したために観れなかった。なので今回のライヴは、個人的には実に7年ぶりになる。公演毎にライヴのスタイルを変えてくるのか、それとも終始ファンキーで押し切るのか、どちらにしても楽しみだ。
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