ポール・ウェラー(Paul Weller)『Other Aspects(CD + DVD)』
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最終更新日:2024/02/03
CD・DVD・映像 ブライアン・ウィルソン, ポール・ウェラー, ロンドン
ポール・ウェラーが2018年にオーケストラと共演したライヴが、CDプラスDVDで発表されている。CDは2枚組で、収録曲はカットされることなく完全収録。以下は、DVDについて書く。
会場は、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで、テムズ川沿いに立地する約3000人規模の会場だ。ブライアン・ウィルソンは、『Smile』完全再現ライヴの初演にこの会場を選んでいる。
ウェラーは、同年に新譜『True Meanings』をリリース。グレアム・コクソンやノエル・ギャラガーが参加してはいるものの、全編アコースティックの地味な作風だ。ただ、数曲でストリングスのアレンジで参加しているハンナ・ピールが指揮するオーケストラがあって、彼らと組むことでこのライヴが実現した。
ステージは、前方に中央にウェラーが陣取り、この人を囲むようにバンドメンバーが陣取る。その後方に、オーケストラが配置されるという位置どりだ。セットリストは『True Meanings』からがベースになっていて、音圧としてはウェラーとバンドのアコースティックが前面に出ていて、オーケストラは後方支援状態に見えた。
ウェラーはアコギとピアノを使い分け、ほぼ1曲毎にMCを入れて曲にまつわるエピソードなどを語りつつ次の曲に入っていた。オーケストラのメンバーには、日本人の女性バイオリニストがいた。ライナーノーツによると、海外を拠点に活動しアデルをはじめロックアーティストの作品に参加している人とのことだ。
ジャムの『Boy About Town』『Private Hell』『Tales From The Riverbank』、スタイル・カウンシルの『Have You Ever Had It Blue』『A Man Of Great Promise』と、かなりレアなセレクトがされているのが嬉しい。アンコールの『Books』では、シンガーソングライターのルーシー・ローズやシタール奏者と共演。彼女たちも、『True Meanings』のレコーディングに参加していた
演奏の合間には、リハーサルの模様やインタビューなどが挿入されていた。ギターのスティーヴ・クラドックやベースのアンディ・クロフツらは、オーケストラは譜面の通りに演奏するので、自分たちもそれに合わせなければならず、アドリブができないのが難しいと語っていた。
『True Meanings』は、最初に聴いたときはかなり地味に感じたが、この映像を観て音源を聴いた後に改めて聴くと、深みや味わい、そして少しの緊張感が感じられるようになった。
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